こんにちわ。全力中年の増田です。
昨年、フジテレビ開局50周年記念ドラマとして、山崎豊子氏原作の「不毛地帯」が放送されました。このドラマの前半の山は、昭和30年代の航空自衛隊・次期戦闘機導入計画、いわゆる「FX(Fighter-eXperimental)」をめぐる商社の争いでした。
この時のFXは、航空自衛隊が発足して初めて行われたもので、「第1次FX」と呼ばれます。そして、この第1次FXで導入された戦闘機は、ロッキードF-104、通称「スターファイター」。
F-104 スターファイターは、直線的でスマートな胴体に、直線的な短い翼を持ち、最高速度はマッハ2。「最後の有人戦闘機」と称され…(以下、自粛)
FXはその後、F-4ファントムを選んだ第2次、F-15イーグルを選んだ第3次と続き、現在、第4次FXが行われています。
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現在進行中の第4次FXで、誰もが認める最有力候補だったのが、F-22「ラプター」。極めて高いステルス性(レーダーに発見されにくい性能)を誇る世界最強の高性能戦闘機です。
この「ラプター」、最有力候補“だった”と書きましたが、今は候補から外れています。なぜか?(知っている人にはまわりくどい話ですが、ご容赦ください)。その理由は、アメリカが売ってくれないから。
高性能だからこそ、その技術が自国の外に拡がることをデメリット=脅威と捉えたわけです。しかも、高性能ですが、値段があまりに高いため、アメリカ空軍ももう購入をやめてしまい、買い手がいなくなったので、メーカーは製造をやめてしまいました。もう、どんなに欲しくても、買えません。
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NO.1候補が思わぬ展開で消えて、次の候補となっているのが、F-35、F-15FX、F/A-18E/F、そして、ユーロファイター タイフーンの4機種です。この4機種は、おおまかに3つのグループに分けることができます。
■その1・F-35 → 期待の新製品(ただし、まだ開発中)
F-35は、F-22ラプターよりも新しい機種です。F-22には若干劣るものの、優れた性能を誇り、F-22よりも安価に導入可能と言われています。ただし、まだ開発中ですぐには導入できません。
しかも、開発コストが嵩み、価格は実は当初計画されていたほど安くないようです。期待の新製品ですが、どうなるか不明確な点も多いのです。
■その2・F-15FX、F/A-18E/F → 現行機種のバージョンアップ
現代の戦闘機はエレクトロニクスの塊です。つまり、機体(ハードウェア)はそのままでも、レーダーなどの電子機器をバージョンアップすれば、その性能は大幅にアップします。もちろん、エンジンを最新型に換装するなど、ハードウェアの改修も実施可能です。
F-15FXは、航空自衛隊の主力戦闘機であるF-15Eを再設計し、バージョンアップさせるもの。見た目は同じですが、まったく別のものに生まれ変わるとされています。
とはいえ、F-15の初飛行は1970年代の初頭。すでに何度か大幅なバージョンアップが行われており、「最新技術によるバージョンアップで中身は新しくなります!」と言われても、大金を出して買う側としては、納得しづらい面もあります。
F/A-18E/Fは、F-15よりも新しい機種であるF/A-18のバージョンアップ版で、現在のアメリカ海軍の主力戦闘機。ただし、F-15が生粋の戦闘機(Fighter)であるのに対し、F/A-18は、戦闘攻撃機と呼ばれる機体。Fighterが敵の戦闘機と戦うことをだけを目的としているのに対し、戦闘攻撃機は、Fighter(戦闘機)にも、Attacker(攻撃機)にも使える機体で、いろんな兵装に対応できるよう、機体はやや大きくなり、その一方で最高速度は遅くなっています。次期「戦闘機」を選定するFXの候補としては、大きくて、遅いわけです。
ただし、FXにおいてF/A-18が生粋のFighterでないことは、一概にマイナスとは言えません。戦闘機開発の大勢としては、開発コストや調達コストの高騰を抑えるために、戦闘・攻撃(爆撃)・偵察など、複数の用途をこなすマルチロール機(多用途戦闘機)と呼ばれるコンセプトが登場しており…(以下、自粛)
■その3・ユーロファイター タイフーン → 別の製品への移行
日本のFXはこれまで、アメリカ空軍が使っている最新鋭の戦闘機を導入してきましたが、今回、大穴的な注目を集めている機種があります。それが、「ユーロファイター タイフーン」。その名前が示している通り、ヨーロッパ生まれの戦闘機です。これまで最新鋭のアメリカ車を乗り継いできたけど、ふと見ると、「結構いい欧州車がある」というわけです。
そして、ずっとアメリカ車を乗り継いできた、金払いのいい客に対して、欧州車のディーラーはいい条件を提示しています。日本企業で生産してもいいですよ、とか、国産の電子機器を搭載できるよう改造しても構いません、とか。一番お買い得な買い物ができそうなのです。
しかし、これまで慣れ親しんできたアメ車とはドライブ感覚が異なります。パイロットの訓練にこれまで以上に時間がかかるかもしれません。また、機体だけでなく、整備道具など新しく買い揃えて、慣れる必要があります。
そして何よりも一番心配なのが、これまで最新鋭のマシンを売ってくれていたアメリカ車のディーラーが機嫌を損ねてしまうかもしれないこと。FXだけの話ではなく、いろいろと関係が深いですから、簡単に「今回はよそから買います」とは言えないわけです。
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さて、今回の「全力中年」は、なにやらミョーな話になっていますが、かなり強引に、仕事に絡めていきますと…。
システム開発や新サービス、新技術を導入する際に、「その1」は、いちばん高性能が実現でき、誰もが納得できそうな選択肢です。しかし、予定の期日には間に合いません。
冷静に考えれば、スケジュールが動かせない限り、明らかに「なし」となる選択肢のはずなのですが、なぜかこの選択肢に執着する人は少なくありません。
「その2」は、面白味はありませんが、もっとも現実的な選択肢です。関係者の不満は少ないでしょうけど、その分、関係者のモチベーションが上がらないケースともなります。
そのため、このケースでは「保守的な選択だが、コストを抑えることができた。浮いたコストを別のことに投入する」という戦略が必要です。極めて単純な戦略としては、単価を抑えることができたのだから、数を予定より多く調達する、などです。
たとえば、第二次世界大戦でアメリカは、ドイツの高性能な戦車に対抗するために、高性能な戦車を開発する戦略ではなく、量で圧倒する戦略をとりました。つまり、高性能なタイガー戦車に対して、量産性に優れたM4シャーマン戦車を…(以下、自粛)。
「その3」は、実績はあるけれど、自分たちは使ったことがない技術やサービスを導入するケース。売り手に「大丈夫です」と言われても、こちらに未知の部分が多いので、将来起こるかもしれないリスクをしっかり見通す必要があります。
一方で、導入に成功すれば、新しいノウハウが身につきます。Flashだけでなく、HTML5にも対応できれば、仕事が拡がって、食いっぱぐれない、みたいな(ちょっと喩えが変ですかね)。
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さまざな制約のなか、最小のコストで、最大の効果を上げるーーそのために必要なものが、考え方=判断基準の柱となる「戦略」です。「コンセプト」と言い換えてもいいでしょう。
お客様からオリエンテーションを受けたあと、「御社の今後の戦略は?」「商品の販売戦略は?」などと質問させていただくことがあります。同様に、我々自身も、お客様のニーズを満たし、課題を解決するために、与えられた条件のなかで、最高の成果をあげることができるよう、戦略やコンセプトを明確にして、業務にあたっていきます!
かなり強引にまとめましたが、FXにおいて、我が国はどんな戦略をとるのか、どういうコンセプトのもとで機種選定を行うのか。一国民として、注目して見ていたいと思います。
新谷かおる先生の意見とか、聞いてみたいな〜。