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愛する人のことを理解してますか?~コンテンツマーケティングにおけるペルソナ設定~

こんにちは。Production & Operating 部門長の成田です。

片思いをしたこと、ありますか?

好きな人にふりむいてもらえないとき、あなたならどうしますか?
すぐに諦めてほかの人を探しますか?
ひたすらアプローチし続けますか?
あるいは自分磨きに精を出しますか?
わたしだったら、やっぱりストーカーになりますかね……なんて寝言はさておき。

今回は片思いに苦しんだ映画の主人公を例に、コンテンツマーケティングにおけるペルソナの正しい設定方法についてお話をしたいと思います。

 

「華麗なるギャツビー」はなぜ恋に失敗したのか?

この夏、レオ様の主演で大ヒットした映画『華麗なるギャツビー』。舞台は1920年代のアメリカ。レオ様扮するギャツビーは、富豪の娘デイジーを盲目的に愛する青年実業家。第一次世界大戦のさなか、まだ貧しい軍人だったギャツビーはデイジーと恋仲になるものの、ヨーロッパ遠征を機に離ればなれに。しかし、ギャツビーはいつかお金持ちになって、必ずデイジーと再会して結婚するんだ!と強く誓います。そして数年後、念願叶って富豪となったギャツビー。ところがギャツビーを待てなかったデイジーはすでに他の大富豪の妻に……。そこでギャツビーは、デイジーを奪還しようと彼女の家が見える海岸沿いに豪邸を構え、毎夜パーティを開催するという戦略を立てました。

 

成田さん20130729_1

 

photo: Thinkstock / Getty Image

ここでコンテンツマーケティングの視点に立って、ギャツビーの戦略を見てみましょう。

CMI(Content Marketing Institute)の定義によると――コンテンツマーケティングとは適切で価値のあるコンテンツを作成し、配信するテクニックである。ターゲットとなる見込み客を明確に定め、理解することで、見込み客を惹きつけ、獲得し、関係を持ち、購買に結びつけること――となります。

これをギャツビーに当てはめると――適切で価値のある自分を育て、アプローチするテクニックである。ターゲットとなる意中の人(デイジー)を明確に定め、理解することで、意中の人(デイジー)を惹きつけ、獲得し、関係を持ち、恋愛(あるいは結婚)に結びつけること――となります。

ギャツビーが立てた戦略はコンテンツマーケティングの目的に適ってます。デイジーと再会を果たし、お互いの愛を確認し合えた時点までは、彼の戦略はほぼ完璧だったと言えます。では、ギャツビーは無事デイジーと結ばれることができたのでしょうか。残念ながら彼の夢は海の藻屑と化します。では、なぜ失敗したのでしょうか。そのヒントは彼が描いたペルソナ設定に隠されています。

ペルソナとは、一言で表すと「企業にとって最も重要で象徴的な顧客モデル」。言い換えると、オーディエンスの隠れたニーズや行動パターンなど、観察やインタビューで得られた調査データを、一人のオーディエンス視点のストーリーとして凝縮した人物モデル。

【※】詳しくはインフォバーン京都支社長・井登作成の「ユーザー中心発想のススメ」をご参照ください。

まず、このペルソナを設定するときに抑えておくべき点を確認してみましょう。

(1)彼/彼女はだれか?
友だち同様に詳細に描写できなければならない
(2)彼/彼女のニーズは?
彼らが求めていて、わたしたちが伝えたいストーリーの考え方に結びつけられるコンテンツとは何か?
(3)彼/彼女はなぜわたしたちに関心があるか?
ペルソナがわたしたちと向き合ってくれる理由
わたしたちが独自に彼らに提供できるのは何か?
(4)彼/彼女に対してどんな独自の価値を提供するか?
いかに独自の方法でペルソナのニーズを満たすのに役立つか?

【※】インフォバーンCEO小林弘人監修の『オウンドメディアで成功するための戦略的コンテンツマーケティング(翔泳社)』P34より引用。

これをデイジーにあてはめてみます。

(1)彼/彼女はだれか?
デイジー/富豪の娘/20代女性/美人/安定した暮らし/肉食系の強い男性が好み/既婚/子持ち/自主性がない/主体性がない/依存心が強い/自己保身/女性はおバカで可愛いほうが幸せになれると信じている/上流階級
(2)彼/彼女のニーズは?
贅沢な暮らし/愛情/安定/上流階級
(3)彼/彼女はなぜわたしたち(ギャツビー)に関心があるか?
大富豪/かつて愛した人/イケメン/上流階級
豊かな暮らし/愛情
(4)彼/彼女に対してどんな独自の価値を提供するか?
豊かな暮らし/愛情/上流階級

 

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photo: Thinkstock / Getty Image

ギャツビーはデイジーというペルソナのニーズに応えるために戦略を立て、成功間近にまで迫っています。少なくとも(2)と(3)は明確に理解しています。ところがギャツビーは盲目的になっているため、(1)と(4)に関して冷静な分析と判断ができていませんでした。既婚/子持ち/自主性がない/主体性がない/依存心が強い/自己保身/女性はおバカで可愛いほうが幸せになれると信じている――これらの要素は、ギャツビーにとって大きな障壁となっていたのです。「お金と愛さえあればすべてうまくいく」と盲目的に信じていたギャツビーは、(1)彼/彼女はだれか?(4)彼/彼女に対してどんな独自の価値を提供するか?という設定において、見落としが多くありすぎました。これが彼のコンテンツマーケティング戦略が失敗に終わった原因になっていると考えられます。

 

ペルソナ設定に不可欠なサイエンスとアート

決定的だったのは、デイジーが「依存心が強く自己保身」の女性だったことです。デイジーの身が危険にさらされたとき、ギャツビーは自らを犠牲にしてでも彼女を守ろうとします。一方、デイジーの夫はデイジーを守るためにギャツビーを貶めようと画策します。誠実でバカ正直なギャツビーと、嘘つきで常に人を貶めようとする策略家の夫。しかしデイジーは、自らのためとはいえ窮地に陥るギャツビーを守ろうとするほどお人好しではありません。夫とともにすべての罪をギャツビーに押しつけて自分は安全な場所に隠れることを選択します。「本当に自分を愛してくれているのはどっち?」ということはデイジーにとっては二の次だったのです。

ギャツビーの失敗は、最初にペルソナの設定を誤ると、その後の戦略をどんなに完璧に進めてもすべて水泡に帰す、という教訓なのです。デイジーが「依存心が強く自己保身」な女性であることをきちんと把握していれば、ギャツビーが無謀な行為に出て、自らを危険にさらすことは避けられたはずです。

ペルソナ設定には、定量調査などで収集されたオーディエンスのデータに加え、「一人の生身の人間」としてのストーリーが欠かせません。重要なのはオーディエンスも気づいていない深層心理にまで踏み込み、「一人の生身の人間」を理解することです。正しいペルソナには、サイエンス(適切な設計と手法のもと行われた調査から得られる事実)と、アート(パーソナリティと価値観をだれもがすぐに理解し、記憶できるストーリーとしてアウトプット)の両立が必要不可欠なのです。

ギャツビーはデイジーのペルソナ設定においてサイエンスはほぼ完璧に理解していたものの、盲目的だったゆえにアートにおいて、自身とデイジーの認識を誤りました。ギャツビーのようにペルソナ設定に失敗するときは、サイエンスかアートか、そのどちらかが欠けているケースがほとんどなのです。恋愛もビジネスも、サイエンスとアートの両方の側面からペルソナ設定をし、戦略を立てることが成功のカギを握ると言っていいでしょう。

【今回のおさらい】
狙ったターゲットを逃さないためには、サイエンスとアートの両立したペルソナ設定を!

投稿者 : 成田幸久 (Google+)

フェロー。AMEX会員誌、『ワイアード』日本版、JAL機内誌などで副編集長を務めた後、2004年インフォバーン入社。ニフティのブログサービス『ココログ』の立ち上げ時に、眞鍋かをりなどの著名人ブログをプロデュース。ほかにPC・モバイルと連動した通販誌『カタロガー』編集長、セブン-イレブンとヤフーの共同事業メディア『4B』の編集長を務めるなど、数多くのWebメディアの企画・運用を手がける。

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