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ネイティブアドはおしゃべりクソ野郎を駆逐するか?

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こんにちは。コンテンツ開発ユニット長の成田幸久です。

わたしには、この世から絶滅してほしい広告が3つあります。

1つは、郵便ポストに毎日投げ込まれるチラシ

99%がただの紙屑。でも重要な郵便物がたまに紛れているので、1つひとつチェックしなければなりません。これは本当に不愉快な作業です。郵便ポストに「チラシを入れるな!」と貼り紙をしたこともありますが、まったく効果がありません。一度張り込みをして、チラシを入れようとする業者をつかまえて追い払う、ということも試みようとしたのですが、わたしもそんなにヒマではないので、これも諦めました。

2つ目は、ペイテレビのCM

地上波テレビはコンテンツとして楽しめるCMも多く、タダで観られる引き換えにCMがあると思えばまだ割り切れます。問題はCS放送やケーブルテレビなどのペイテレビのCMです。わたしはペイテレビを観るために毎月8,000円以上を支払っています。にもかかわらず、下衆で低俗で悪質なCMの洪水に悩まされ続けています。ペイテレビはCMのほとんどが保険や健康食品関連、コンプレックス系。15分毎に繰り返し見せつけられるジャンクCMには、嫌悪感と不快感しか湧いてきません。こういう低俗なCMを垂れ流す企業の商品だけは絶対買うまい、と心に誓います。ペイテレビがなかなか普及しないのは、この迷惑CMが元凶であるに違いありません。

そして3つ目は、リターゲティング広告

わたしのFacebookの右端にいつも並ぶのは、「結婚サービス、メタボ、育毛」の三大広告。「お前はどうせハゲでデブで結婚できないおっさんだろ」と毎日ディスられている気分です(ハズレていないだけにイラっとします)。また、最近のわたしのPCのWeb画面の右端には毎日、ブラジャーが表示されています。たまたま相方の誕生日にECサイトで女性下着を購入したら、その日以来ずっとブラジャーです。会社で女子社員に見られたらセクハラになりかねません。部門長としての威厳と尊厳に関わる問題です。 

 

三大おしゃクソマーケティングの終焉

 

これら絶滅してほしい3つの広告を、わたしは「三大おしゃクソマーケティング」と呼んでいます。

あなたの会社にもいませんか? 「オレはすごいんだ!」とひたすら自画自賛して、相手の都合を考えずベラベラしゃべりまくる人。いわゆるおしゃべりクソ野郎(※略して「おしゃクソ」)【©有吉弘行】です。口下手なわたしは、個人的にもこういうおしゃクソが苦手なのですが、デジタルマーケティング業界にもいるんですね、こういうおしゃクソが。

マーケティング業界のカリスマ、セス・ ゴーディン『パーミション・マーケティング』(海と月社刊行)によると、おしゃクソマーケティングは、英語でインタラプションマーケティング(邪魔で迷惑なマーケティング)と呼ぶそうです。セス・ ゴーディンは、日常生活に侵入するこの邪魔で迷惑なマーケティングの効率の悪さについて警鐘を鳴らしています。かつてはブランド(広告主)が消費者に情報を伝えるためには、一方通行のおしゃクソマーケティングしか手段がありませんでした。しかし、ブログやソーシャルメディアの普及によって、オーディエンスの情報リテラシーが高くなった昨今、おしゃクソマーケティングはその役割を終えつつあるといってよいでしょう。

企業がいますぐにやめるべきは、この非効率で迷惑千万なおしゃクソマーケティングを使って、強引に自分たちの商品やサービスの情報を垂れ流すことです。読まれないチラシを郵便ポストに投げ込んだり、人のコンプレックスにつけこんで何度も同じ広告を繰り返したり、中途半端なターゲティングで一方的に自分たちの宣伝ばかりするのは、自らの価値を下げていることに気づくべきでしょう。おしゃクソマーケティングを有難がって喜ぶのは、もはや一部の情報貧民だけです。

 

おしゃクソマーケティングからコンテンツマーケティングへ

 

セス・ ゴーディンは、一方的にメッセージを押しつけるおしゃクソマーケティングに問題提起をし、オーディエンスから事前に承諾を得た範囲内でアプローチを行うパーミッションマーケティングを提唱しています。パーミッションマーケティングは、一時的な承諾を得るだけでなく、時間をかけて見込み顧客との信頼関係を築くのが目的です。 企業は最初にパーミションを得るために割引、無料配布、懸賞などの釣りエサを用意することもあるので、オーディエンスとしては釣りエサのために「おしゃべりクソ野郎の話を聞くこと」をやむを得ず承諾する、というケースも多々あります。

そして、このパーミッションマーケティングから、さらにオーディエンスの利益を最優先に考えるアドボカシーな視点に立つのが、コンテンツマーケティングといえます。ここで改めてコンテンツマーケティングの定義を見てみましょう。以下はCMI(Content Marketing Institute)からの引用です。

コンテンツマーケティングとは、適切で価値あるコンテンツを作成し、配布する技術である。ターゲットとなる見込み顧客のことを理解し、これを明確に定義することにより、見込み顧客を引き寄せ、獲得し、見込み顧客と関わり合い、見込み顧客に購買に結びつく行動を促すことを目的とする。

これをおしゃクソマーケティングに置き換えてみます。

おしゃクソマーケティングとは、ブランド(広告主)都合の広告を作成し、配布する技術である。不特定多数、もしくは類型化したターゲットに一か八かの確率で攻めるだけなので、見込み顧客にとって迷惑だろうが関係ない。運良く興味を持ってくれた見込み顧客に徹底的にしつこく売り込んで、購買に結びつく行動を促すことを目的とする。

このようにコンテンツマーケティングは、おしゃクソマーケティングの対局にあるアプローチ方法といえますが、おしゃクソマーケティングは今後ますますオーディエンスに忌避され、その費用対効果が低下していくことは避けられないでしょう。では、これまでおしゃクソマーケティングでビジネスをしてきた企業はどうすればよいのでしょうか。ペイドメディアを使って出稿することはすべてムダになるのでしょうか。

 

DIEおしゃクソマーケティング、LIVEネイティブアド

 

最近は、そんなおしゃクソマーケティングが抱える課題の解決策としてネイティブアドが注目を浴びています。おしゃクソマーケティングには、「邪魔・迷惑」というネガティブな側面が目立ち、費用対効果が低くなってきている、効果検証が難しい、といった問題を抱えています。一方、すでに人気と信頼を得ているメディアにディストリビュートされるネイティブアドは、第三者(メディア)視点で作られるコンテンツのため信頼性が高い、オーディエンスが楽しめる(役に立つ)コンテンツが作りやすい、といったメリットがあります。ネイティブアドは、すでにオーディエンスと高いエンゲージメントを持つメディアの力を借りてストーリーを届けるため、より共感を得やすくなります。そのためネイティブアドは、オーディエンスに態度変容を促すためのペイドメディアとして効率的で有効な手法なのです。

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また、コンテンツマーケティングの主な目的が、「ブランドの醸成」と「見込み顧客の獲得と育成」であることを鑑みると、ネイティブアドはコンテンツマーケティングと非常に親和性の高い広告戦略といえます。オーディエンスがすでに信頼し、ファンになっているメディアの文脈に乗って広告を提供するため、企業がそのメディアに“適切で価値あるコンテンツ”を提供する限り、広告を受け入れる土壌がオーディエンスにできています。ネイティブアドには、ほかにもソーシャルメディアによる認知拡大・拡散が図りやすい、わかりやすい指標を設定できる、といったメリットがあります。

今後、オーディエンスと最適なコミュニケーションを図り、エンゲージメントを築いていくためには、ネイティブアドを上手に使ったコンテンツマーケティングがますます重視されることになるでしょう。ただし、おしゃクソマーケティングを好む企業の商材(特にコンプレックス系)は、ネイティブアドを出稿しようとしても、まともなメディア企業には敬遠される傾向にあるので、オーディエンスに疎まれないように適切な「メディア、ターゲット、タイミング、内容」を十分に検討し、オーディエンスが歓迎する精度の高いリターゲティング広告をめざすほうが懸命かもしれません。

たとえば、ペイテレビで「宇宙の終焉」という上質な科学番組を楽しんでいるさなかに、いきなりメタボなおばさんがダイエットして嬉々とするCMなど見せつけられて喜ぶ人がいるでしょうか? ブランド(広告主)はいますぐ、おしゃクソマーケティングを捨て、メディアが提供するコンテンツを超えるような、オーディエンスが自ら求めるコンテンツを届けるべきなのです。

郵便ポストから悪質なチラシが消え、ペイテレビから低俗なCMが消え、Webサイトから下衆なリターゲティング広告が消える――そんなおしゃべりクソ野郎が消え、いつかわたしたちの日常に平和が訪れることを願います。

投稿者 : 成田幸久 (Google+)

フェロー。AMEX会員誌、『ワイアード』日本版、JAL機内誌などで副編集長を務めた後、2004年インフォバーン入社。ニフティのブログサービス『ココログ』の立ち上げ時に、眞鍋かをりなどの著名人ブログをプロデュース。ほかにPC・モバイルと連動した通販誌『カタロガー』編集長、セブン-イレブンとヤフーの共同事業メディア『4B』の編集長を務めるなど、数多くのWebメディアの企画・運用を手がける。

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