小説を読む趣味と、デザインの仕事。
積読を語るときに、
「一生のうちに読める本などたかが知れている」
「すべてを読みたがるなんて思い上がりだ」
などと見聞きして納得することもあるけれど、何をしてても膨らんでいくブックリストを眺めていると「あれも読みたいこれも読みたい」となってしまいます。いまこうしてエッセイを書いているデスクにもうずたかく積まれた書籍や雑誌の山があり、日々どれから手を付けたものかと思案し、優先順位をつけなければなりません。私の場合、仕事柄専門書を読む必要に駆られるものの、読める本の数が限られているのならば好きなものをと、つい小説を手に取ってしまいます。手に取ってしまう、と引け目を感じることでもないのですが……。