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社員の定性調査・分析を通じて、社内におけるセゾンブランド構築に向けたロードマップ策定を支援

株式会社クレディセゾン

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●中長期的なインナーブランディング施策の立案を支援
●社員インタビューを通して、課題と原因を定性的に分析・抽出
●ワークショップを実施し、アイデア出し・方針決めをサポート


Outline

プロェクト概要

コミュニケーションプラン策定に向けたロードマップ整備

「セゾンカード」で知られる株式会社クレディセゾンは、これまでに「永久不滅ポイント」など、クレジットカード業界における常識を打ち破る革新的なサービスを展開。そのペイメント事業を基盤として、ファイナンス事業、リース事業、不動産事業、エンタテイメント事業など、時代を経て事業領域を拡大してきました。

現在は中期経営計画として、ファイナンスサービスを軸としながらも、既存のサービス領域に留まらない「GLOBAL NEO FINANCE COMPANY~金融をコアとしたグローバルな総合生活サービスグループ~」というビジョンを掲げ、グループ企業間のシナジーによる「セゾン・パートナー経済圏」の確立と、旧セゾングループの思想を汲んだ「セゾンブランド」構築に向けた取り組みをされています。

そこで重要となったのが、クレディセゾンとしてのDNA・理念の‟社内浸透”。「社員エンゲージメントの向上」および「社員一人ひとりにいたるビジョンの理解」を目的に、具体的なプロジェクトが計画・実行されるなかで、同社では中長期にわたる効果的なインナーブランディング戦略・施策の立案をする必要がありました。

そこでご相談を受けたインフォバーンは、プロジェクトとして2つのゴールを設定。

①社員のブランド認識を正しく把握し、コミュニケーション施策立案に繋がるインサイトを得ること
② そのインサイトを基に、効果的な施策アイデアを立案し、今後の実行のためのロードマップを描くこと

そこから社員インタビューとその分析を踏まえたワークショップを提案し、実行。今後のコミュニケーション施策に向けた課題を整理したうえで、行うべき具体的なプランのアイデア出し、方針決めを支援しました。

プロジェクト全体のプロセス / Project Reportより

クライアント
株式会社クレディセゾン

制作期間
2023年12月~2024年3月

担当領域
デザインリサーチ
インナーコミュニケーション戦略策定

Research

インタビュー調査

社員間、部署間のギャップから課題の「原因」を探る

本プロジェクトが進行する以前に、クレディセゾンでは全社員アンケートを実施していました。回答への反応率の低さ、社員の企業ブランドへの興味の薄さが課題として浮き彫りとなったこのアンケート結果を基に、インフォバーンは、

①アンケート反応率の低い/高い部署、社員の行動の差異はどこから発生しているのか?
②ブランド方針が理解・共感されている/されていないポイントはどこか?

という2つのギャップに着目。定量データだけでは特定しにくい、課題の「原因」を探るために、社員インタビューを実施しました。

インタビュー対象者は、アンケート反応率が高かった部署/低かった部署、および若手/中堅/ベテランの3層で6つに分け、選定。各グループごとの共通項/相違点をあぶり出すことで、課題の原因を特定しやすくするとともに、座談会形式で多くの方にインタビューしながら、対象者それぞれが忌憚のない意見を出しやすくなるよう設計しました。

ヒアリングシート&半構造化インタビューによる掘り下げ

対象者に対しては、事前に4つのポイントで質問シートを用意し、ご回答いただきました。

◎業務日の1日の過ごし方
◎所属先への愛着度とその理由
◎日々の業務と中期経営ビジョンとのつながり
◎「クレディセゾン」に対するブランドイメージ

4つの事前ヒアリングシート / Project Reportより

この回答を参照し、対象者個々人の状況や考えを把握しておくことで、インタビューの質を高めることが狙いです。特に、1日のタイムラインを記載いただくことで、会社による情報発信がどのようなタイミング、ツールを介して届いている/届いていないのかを具体的に探ることができました。

インタビューでは、「①情報収集習慣」「②会社への帰属意識」「③中期経営ビジョンと現場社員とのギャップ」「④社員が抱く企業ブランドイメージ」「⑤会社の情報発信への期待」という5つの項目を軸に、グループごとの質問リストを用意。

加えて、柔軟に質問を追加・差し替えながらヒアリングする「半構造化インタビュー」の手法を取ることで、深堀りすべき観点を重点的に質問していきました。

インタビュー質問表の例 / Project Reportより

このようにして計8回におよぶインタビューを実施。アンケート反応率の多寡から推察される社員エンゲージメントの阻害要因と、ブランド理解を妨げている障壁を把握するための定性的なデータを集めました。

インタビュー結果のサマリー例 / Project Reportより

Analysis

分析と課題抽出

課題の構造を分析し、アクションに向けた4つの問いに集約

インタビューで集めた5項目ごとに、その結果を分析。主にKJ法を用いて、得られた個別の情報や意見を付箋に記述し、グルーピング・構造化して関係を整理しました。

インタビュー分析の例 / Project Reportより

最終的に、具体的な施策に落とし込むためにフォーカスすべきを、「会社の実態とビジョンの接続」「業務の実態とビジョンの接続」「インプット機会の確保」「ビジョン理解への動機付け」に関する4つの問いとして集約していきました。

Ideation

アイデア出しと方針決め

具体施策の方針を決めるワークショップを実施

こうして得られた分析結果を基に、本プロジェクトの関与者を集めてワークショップを実施。2回に分け、具体的なコミュニケーションプラン策定のための方針決めとアイデア出しを行いました。

初回は、ラフなディスカッションを通して、先述した4つの問いに対する解決策を発想。そこで出てきたアイデアを、「認知」⇒「理解」⇒「共感」⇒「実践」⇒「協働」というフェーズごとの施策として整理し、取りうるプランの方向性を検討しました。

フェーズに沿ったアイデア整理 / Project Reportより

続く2回目のセッションでは、実行すべきアイデアの優先順位を議論。そこから、ワークシートを用いて、アイデアを具体的な施策として具体化していきました。

ワークショップで用いたアイデアシート / Project Reportより

ここまでの分析、ワークショップの内容を基に、中長期的に取るべきインナーブランディング施策の方針を固めました。

今回のプロジェクトでは、社内インタビューなど社員の生の声を聞ける場に、クレディセゾン側のご担当者の方々にもご参加いただきました。そのことを通じて、「思わぬ『社員の本音』を知る良い機会にもなりました」とのお言葉をいただきました。

Voice

クライアントの声

インタビュー設計から分析まで的確に実施いただき、さらにワークショップを通じて新たな視点での発想や知見に触れ、多くの気づきを得ることができました。今回のプロジェクトで明らかとなった課題の解決に向け、これから中長期的にインナーブランディング施策に取り組んでまいります。

株式会社クレディセゾン
ブランディング戦略部

Member

制作体制

アカウントプランナー|大浦 雅俊
デザインストラテジスト|山下 佳澄
デザインリサーチャー|阿部 俊介