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2022.4.11

【海外事例】企業やブランドは、環境問題への取り組みをどう伝えるべきか?

【海外事例】企業は、環境問題への取り組みをどう伝えるべきか?

カーボンニュートラルというキーワードが注目を集めてからは、企業やブランドが環境問題に対して具体的なアクションをしているかということが問われはじめました。そのためCSRやCSV活動、またはサスティナビリティ推進部署が企業でもより重要視されるようになり、そうした活動をさらに明確に伝えたり理解してもらうことが企業の課題になっています。ですが、CO2の削減比率目標や実績といった定量的な情報だけでは消費者の理解や評価はあまり得られないのも事実。そんな難しいテーマを事業と上手くリンクさせて、サステナビリティ活動を社会へと影響を与えて自社やブランドに貢献している海外事例をご紹介します。

ゲーム内報酬との連動で、環境問題に対するアクションの動機を与えていく:Niantic

twitter: https://twitter.com/pokemongoappjp/status/1382140226504683521

2016年に登場以来、スマートフォン向けGPS位置情報ゲームの草分けとしての地位を確立している「Niantic」社の「Pokémon GO(ポケモンGO)」と、同じく人気ゲームの「Ingress」では、Earth Day(4月22日)にイベントを行っています。この取組は2018年より数回行われており(2020年4月のイベントは中止になりましたが)、2019年にはがNPO団体と協力して地域の清掃活動を実施し、プレイヤーがさまざまな環境問題と「戦う」機会を提供することで、啓蒙活動を行っています。

2021年以降はそのアクションを全世界にも広げるため、プレイヤーがハッシュタグを使ってアクションをSNSに投稿することで、ゲーム内報酬を解放できる内容にキャンペーンが進化しました。この仕組みはプレイヤーの周辺にも情報の拡散を促すことができるため、二重に影響を広げることができた好例と言えるでしょう。プレイヤーはポケモンGOの撮影機能を使って、キャラクターたちとともにゴミを拾ったり、木を植えたり、再利用できるものを選んだり、DIYする様子をSNSでシェアすることを楽しんでいました。

twitter: https://twitter.com/NianticLabs/status/1384997513535528962

また、特筆すべきはこのEarth Dayと連動したイベントを可能な限り継続し続けているということでしょう。新型コロナウィルス感染症の拡大などもあり中止せざるを得なかったり、実際に想定した参加者を下回ってしまったこともあるこのイベントですが、年に1回のイベントであっても環境問題にコミットし続けるという姿勢が垣間見えるキャンペーンです。

あえて高く、不味いビールを売ることで「あり得ない未来」を想像させる : New Belgium Brewing Company

米コロラド州フォートコリンズにある醸造所「New Belgium Brewing Company」は、米国初・ベルギースタイルのビールを提供する企業として創業しました。自宅醸造所からスタートし、その高品質でユニークなビールが多くのファンに支持されています。

また、この企業は味だけではなくサスティナビリティ活動に関しても一目置かれています。 1991年の設立以来さまざまな投資を行っており、ソーラーパネルと廃水を介して電力を生産し、2030年までにすべてのビールをカーボンニュートラルにすることを目指しています。

そのなかで2020年に行った「Fat Tire」ブランドの「ビール6本で100ドル」は、米国で全国流通しているビールのなかで初めてカーボンニュートラル認証を取得したことを機会に展開された衝撃的なキャンペーンです。ほとんどのブランドはそんなお祝いごとには割引を行うものですが、このブランドは逆に値段を異常なほど高くして注目を集めたのです。その真意は、水や小麦、ホップなど天然資源が気候変動の影響によってはこんな値段になるということを消費者に知ってもらい、認証取得を目指した意義を理解してもらうためでした。

衝撃的なその値段は、狙い通りさまざまなメディアやSNSで拡散されて話題に。New Belgium Brewing Companyの知名度と同社の環境問題に対する取り組みやその姿勢を認知させることになりました。

そして2021年それはさらに進み、新商品の「Torched Earth」でもさらに衝撃的なキャンペーンを展開します。新鮮なホップの代わりに煙で汚染された水やタンポポなど、気候変動が進んだ場合の社会で作られる低品質の未来のビールをわざと作って販売したのです。

Instagram: https://www.instagram.com/p/CN3Gs1OMNcL/

この例を見ないキャンペーンは社会にショックを与え、話題になりました。このビールを飲んだ人は「バンドエイドの味がする」と言い、ブランドはこのビールを飲むことは勧めないが、環境問題を考えるきっかけにして欲しいと発言しました。

New Belgium Brewing Companyでは、これらのキャンペーンをやる狙い、カーボンニュートラルなビールの作り方、Torched Earthキャンペーンの裏側や缶のイラストなどのクリエイティブ部分を説明する動画などを掲載するキャンペーンサイトをしっかりと制作。非常に丁寧にキャンペーンの意義を説明し、企業の姿勢を見せています。

キャンペーンのインパクトはもちろん、それだけではない丁寧かつ詳細な情報開示によって、これらのキャンペーンはかなりのメディアに露出しました。また、ソーシャルメディアや販売数で消費者のエンゲージメントが非常に高かったのも特徴です。これらの活動はいまも継続中で「フォーチュン500(全米総収入上位500社)」のうち、明確に気候変動対策を講じていない企業に呼びかける「Last Call for Climate」キャンペーンも行っています。

LEGOブロックを使った教育プログラムで、環境問題解決のための自由な想像力を育てる:LEGO

ブロックのおもちゃで有名なLEGOは、2030年までにすべてのブロックを持続可能な資源から製造することを約束しペットボトル原料のブロックを試作して発表したり、2025年までにはすべてのパッケージに再生可能またはリサイクル材料を使用することなどを約束しています。

そのような環境問題への取り組みの一環で、子供たちに気候変動について教育するために、レゴの車や飛行機をより持続可能な代替品に変える方法について説明するプロジェクト「Green Instructions」がポーランドで行われました。

このプロジェクトは、教師のアイデアを元に広告代理店が協力して2020年6月にスタート。既存のものを環境負荷の低いものに代替できるということを子どもたちに示し、実際のLEGO商品を使って組み立て直してもらうというものでした。

例えばそこで子どもたちが教わるのは、人気のある飛行機のセットのパーツを使って電車に作り変えたり、自動車を自転車やスクーターに、炭鉱を発電用の風車にと、同じパーツでも違うものを組み上げていくことでした。また、そのプロジェクトのなかで代替物に移行した場合は、環境にどのように影響するかについての説明(「電車は国内線の飛行機より95%少ないCO2を生成する」)も教わります。

「環境問題の解決法を編み出せるようなクリエイティビティを育てたい」という願いを込めてスタートされたこのプロジェクトは、ロックダウン中にはオンラインでも利用できるようになり、その後世界中の多くの学校でも授業に取り入れられました。さらに、2021年の初めには子供たちに環境について教えながら各アイテムの作り方を説明する一連のオンラインビデオも公開されました。その結果、キャンペーンは開始からわずか2週間で200万回以上のインプレッションを生み出し、ポーランド全土の723の学校が気候変動について生徒を教育するのに役立つビデオレッスンをダウンロードしたそうです。

環境問題に対する企業の姿勢を、ストーリーに変換して伝えることが重要に

環境問題をはじめとする社会課題に対して個々人の意識も高まっている今、企業に期待されるのはパーパスに基づいてそれを解決する仕組みをつくり、大きなムーブメントにしていくこと。ですが企業の想いが「伝わらない」状態ではそのムーブメントも起こすことはできません。私たちインフォバーンは、そのムーブメントの原動力となるものを「ストーリー」だと考えています。環境問題の本質に気づかせ、自然にやってみたくなるアクションへと導くような「良いストーリー」を生み出すことは容易ではありませんが、企業の想いを伝えることにこだわることがそのゴールに一歩でも近づく秘訣だと考えています。インフォバーンでは、Webだけでなく紙媒体やイベントなどあらゆるメディアを使って、消費者を巻き込んでいくようなコミュニケーションの設計を行います。企業のサステナビリティ活動を広めるために課題をお持ちの方は、ぜひご相談くださいませ。

Illustration by Getty Images

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