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2015.5.1

スマートフォン時代がもたらした、今日におけるSNSの短文化傾向とは

 

photo:Thinkstock / Getty Images

スマートフォンの普及により、SNSは“どこでも・いつでも・すばやく”アクセス可能になりました。そして今、TwitterやFacebookは私たちの生活のあらゆる隙間に入り込んでいます。今回は、これら隆盛を極める今日のSNSが持つ“短文化傾向”についてご紹介します。

情報の短文化・ダイジェスト化

Twitterでは、今この瞬間にもたくさんのツイートが世に発信されています。しかし、そのどれにも長い文章はありません。それもそのはずで、Twitterには1回の投稿につき140字までという文字数制限が設けられているのです。この制限により、Twitter上で交わされるコミュニケーションは短文の応酬となり、伝達される情報はダイジェスト化されます。結果、読み手にとっては、行間を読む必要が出てくるとはいえ、素早い情報吸収が可能となりました。

ところで、SNSとはひとことで言うなら“ネットコミュニケーションの場”です。発信があれば、もちろんそれに対する反応があってしかるべき。楽しそうな近況報告には「いいね!」、おもしろいつぶやきには「気に入ったよ」と返すのがコミュニケーションというものですよね。そんな時に便利なのがFacebookの「いいね!」とTwitterの「お気に入り登録」です。しかし、手軽に好意的反応が示せるこれらのボタンの登場は、反応の定量化を容易にした一方で、反応から“質”とも言うべき“内容”のほとんどを失わせました。「いいね!」で伝わる情報はプラス方向の感情のみ。具体的な対象や、その理由については一切言及されません。要点中の要点、ダイジェストの極みと言えるでしょう。

短文化傾向はスマートフォン時代がもたらした

スマートフォンの大普及により、私たちとWebメディアとの関係は、より密接なものとなりました。この、“スマートフォン時代”の到来こそが短文化・ダイジェスト化傾向を決定づけた要因ではないでしょうか。

短文の応酬によるコミュニケーションが機能するためには、ひとつの条件があります。それはコミュニケーションが即時的であること。具体的には、電話や電子メールと代替できるほどの情報交換速度が必要です。スマートフォンの普及は、SNSへのアクセス頻度を劇的に引き上げ、そこでのコミュニケーションに強い即時性を与えました。2010年、「なう」という言葉がTwitterから生まれ、大流行した理由もここにあるのではないでしょうか。

さて、この傾向はネットコミュニケーションに限ったものではありません。近年、「NAVERまとめ」や「Gunosy」など、いわゆるキュレーションサイトが大きな盛り上がりを見せていることからも窺えるとおり、一般に収集される情報もダイジェスト化が進んでいます。日々を忙しく生きる現代人にとっての情報収集スタイルは、キーボードをカタカタと鳴らし、長時間ディスプレイとにらめっこをするものから、空いた時間にスマートフォンを駆使し、文字どおり“スマート”に情報を集めるものへと変わっていったのです。情報収集をスマートに行いたいという現代人の欲求が、現在の大スマートフォン時代を呼び込み、そして時代がそれに応えるべく身につけたものこそが短文化・ダイジェスト化傾向だと言えるでしょう。

傾向を分析し、時代を先読みする

情報の短文化・ダイジェスト化傾向はこの先も続いていくのでしょうか。近年、「Vine」という6秒動画SNSが盛り上がりをみせています。ダイジェスト化がもたらした情報吸収スピードをそのままに、動画という媒体によって情報量を増したVineの流行からは、言うなれば“情報の圧縮化傾向”の始まりを感じます。このようにSNSの傾向は、時代に求められることでその姿を変えていきます。ただ漠然と“今日のSNS”を利用するのではなく、いち早く傾向を分析し、時代が何を求めているのかにまで目を向けられるようになりたいですね。

 

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