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ライティングに必要なものを基礎から学ぶ――WRITES STUDY MEETING 2015

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こんにちは、広報担当の大川です。

いまや、多くの企業がデジタルマーケティングに注力し、オウンドメディアやネイティブアドを導入する企業も増えてきました。そうしたなかで、ブランドメッセージをコンテンツに変換するために欠かせない存在がいるのをご存知でしょうか。

そう、それは「ライター」です! 当たり前のことですが大事なことですので、もう一度言わせていただきます。「ライター」です!!

コンテンツをつくるには、メディア自体の戦略、マーケティング・ブランディングの目標のもと、ユーザーに届けたいメッセージを企画に落とし込んでいきます。そのうえで、各メディアの文脈に沿いながらコンテンツに仕上げる人、ライターが必要なのです。

writes_logoインフォバーンでは、「ライターズシンジケーション WRITES (ライツ)」(以下、ライツ)という精鋭ライター集団を持ち、約500名のライターが登録。これにより、多様なクライアント案件に対して、適切なライターをアサインし、コンテンツメイキングを行えるのです。

→「ライツ」の詳細はこちら

今回は、11月12日(木)に開催した、ライツに登録するライターの皆さんを対象としたライティング講座「WRITES STUDY MEETING 2015」の模様をお届けします!

その文章に、内容はあるか。

最初に、インフォバーン代表取締役CVOの小林からライティングについて、講演が行われました。数々の紙媒体の雑誌やオンラインメディア、サービスを立ち上げ、インターネット黎明期からWebメディアに携わってきた経験者を前に、ライターの皆さんのまなざしはもちろん、メモを取る手にも力が入ります。

Webメディア記事によく見られる文言や構成を引き合いに、そもそもの「文章の本質における重要性」について言及。「文章そのものに内容を持たせなければ、小手先の技術を学んでも意味がありません」。さらに小林は「『こう書けば興味を持たせられる』といった話は、検索すればたくさん出てきますが、読むに値しない内容をいくら装飾しても意味がない」と強調しました。

コンテンツが乱立するなかにあって、人を集めることに意識が向きすぎてしまい、「ユーザーに有益な情報を提供する」という本来の目的が埋もれてしまいがちです。

「古代から、言語や文法など形は変わりつつも、今も通用し、ほぼすべての人が使えるテクノロジー」と小林。しかし、誰でも使えるけれど、仕事で使うとなると話は別。その特徴を理解し、使いこなす必要があるということなのかもしれません。

「書くべきものは何なのか」 を明確にする

「この文章について、どう思いますか?」

小林は、とある文章をサンプルに、ライターの皆さんに問いかけます。画面に映し出された文章に、ライターの皆さんの顔も普段の業務を思い出し真剣そのもの。実際、サンプルの文章は、決して読みやすいとはいえません。「あなたなら、どうするか」。

実際に文章の問題点を列挙しながら、編集後の文章を提示します。なるほど、読みやすい。と、油断していたら、ひと言。「でもこれでは足りない」。

「書くべきは何なのかを明確にすることが大事」と繰り返す小林。「読みやすい」だけでは人に届けるものとしては不十分であり、最も伝えたいことを伝えるためには、余計な情報をそぎ落としつつ、コアとなるものを届ける必要があります。

「ライターも編集者も、そこに気持ちを傾ける必要があります」。当たり前のことと思われるかもしれませんが、原稿に追われたり、いろいろな意見に耳を傾けすぎたりしていると、本来の目的を見失ってしまうことは少なくないように思います。ここも、あらためて自身の原稿を振り返るポイントになったかもしれません。

ライター、メディアの「視点」がコアになる

では、原稿をダメにするのはどんな要素でしょうか。

論理構造が整っていないものや、情報は網羅しているが面白みがないもの、リサーチや取材が不足しているものなど。なかには、文章は成立しているのに、新しい情報やライターおよびメディアらしさが伝わってこないものも、原稿としては不十分です。

「その原稿は誰に読ませたい?」 「あなたが発見したことは何?」 「媒体もしくはあなたの視点はどこ?」。それは原稿を書く目的そのものにあたるのかもしれません。「ライター、もしくは媒体の視点から、事実を検証、焦点を絞り、輪郭を与える」こと。それこそが文章の「コア」になると小林は言います。

そのうえで、文章は多くの情報を「集める・選ぶ・捨てる」、その結果のアウトプットであると強調します。リリースから書き写したような情報だけを集めて、捨てたものが少ない原稿には、独自の視点が宿らないとも。そして、明らかな理解不足より「書き手自身が説明できない部分が出てくる。しかし、自分が説明できないことは書くべきではない」と小林。 そして、原稿を書く際の具体的な注意点やフレームワークについても触れ、講演を締めくくりました。

「流入チャネル」を意識したWebライティング

次に登場したのが金沢。インフォバーンで、コンテンツ戦略ユニットのマネージャーを務めています。主にWebメディアでのライティングについて話しました。

なかでも中心となったのが「流入チャネル」に合わせた原稿の書き分けについて。「流入チャネル」――Webメディアでの仕事に慣れている方にはいまさらですが、いわば、その記事へのアクセス経路で、SNSやポータルサイト、検索流入などがそれにあたります。

Web媒体では「どこから」「どんな人が」「どのくらい来て」「どのくらい読んだか」が分かるのが特徴です。それをきちんと分析することで、まだ届いていない多くのターゲットに情報を届けるための施策を打つことができます。

「書き分け」「解析」「検証」

検索流入を意識する場合、そもそも「検索して情報にたどり着こうとしている人は、どういう人か」を考えます。「課題をもっていて、それを解決するために検索をする」と金沢。課題を持った人に好まれる内容やタイトルづけ、ディスクリプション(検索結果画面に表示されるコンテンツの説明文)が重要になります。「~のつくり方」や「~の選び方」はそのオーソドックスな例です。

一方、外部ポータルサイトなどに取り上げてもらいたい場合、多くのユーザーニーズを叶える内容であることがまず求められるのだとか。そのうえで、「中立的な視点で書かれ、タイトルの引きも強いことが重要」と言います。

アクセス解析についても、実際どのような分析を行っているか紹介。さらに、目標や仮説に対する検証の重要性とともに、思うような結果が出なかった場合、次の仮説を立てるための情報抽出の重要性についても話しました。

もちろん明確な正解があるわけではありません。書き分けても、思うように結果につながらないこともあります。だからこそ、結果を解析し検証を繰り返すことで、次のコンテンツメイキングに生かすのです。

あまり「流入チャネル」を意識したことがないライターさんもいたようで、講演後に「意識したことがなかったので、とても参考になった」といった声も聞かれました。

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講演終了後、インフォバーンが取り扱っている案件と、そこでどのようなライターを求めているかなどについて紹介。さらに懇親会を開催し、ライターとインフォバーンスタッフはもちろん、ライター同士の交流も行われました。多様な仕事に関わっているライターも多く、一人ひとりが新たなネットワークに接することができた場となりました。

ライツではこうしたイベントを今後も開催する予定です。ぜひともWeb業界でライターとして活躍してみたいと考えている方、こうしたイベントに参加してもっとスキルアップしたいとお考えの方は、ぜひライツにご登録ください。

大川省太

広報媒体の制作会社で営業、ライターを経験した後、コーチングファームに勤務。2015年よりインフォバーンに入社し、コンテンツディレクターとしてソリューション案件を手がけ、現在は広報を担当。好きな食べ物は、鶏の唐揚げとトマトカレー。