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【海外事例】TikTokの「ハッシュタグチャレンジ広告」活用法

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Z世代の支持を受け、注目されているSNSのひとつTikTok。その中でもハッシュタグチャレンジは日本でも徐々に広告として活用されてきています。その強みは「広告感が薄くユーザーの心理的ハードルが低いため、リーチが稼げる」こと。今回はそのハッシュタグチャレンジ広告を中心としたTikTok施策の例を見てみましょう。

ハロウィーンの仮装を披露してもらうキャンペーン「#Boorito」 : Chipotle

Chipotleのキャプチャ
screenshot: https://www.chipotle.com/boorito

メキシコ料理のレストランチェーン「Chipotle」は、ハロウィーンの季節に仮装をからめたキャンペーン「Boorito」を毎年実施しています。「Chipotle」が用意した楽曲とともに、過去の仮装と今の仮装を比べた動画を投稿してもらう仕組みです。上位となった投稿者は、1年間ブリトーが無料になるコンテスト形式となっています。

@threedotcorey halloween 2020 be like 👻 show ur best costumes using #boorito, #contest & this sound. you could win 1yr of free @chipotle 🌯 terms: chip.tl/boo #ad ♬ Monster Mash (Ethan Fields Remix) – Chipotle

TikTok: https://www.tiktok.com/@threedotcorey/video/6889208129452510470

2019年のキャンペーンでは、店頭へ仮装していけばブリトーのセットが安くなるというルールが採用されており、その時はTikTokで有名なインフルエンサーを多く起用していました。人気映像作家Zach Kingは、店頭で次々と仮装していくさまを見せる、まるで魔法のような動画を投稿しました。

@zachking Moonwalking with my $4 @chipotle #Boorito on Halloween. Did I do it right? Comment below #ad ♬ Strange Affair – Ronald Stein

TikTok: https://www.tiktok.com/@zachking/video/6751956678851218694

他にもSNSを中心に活躍しているコメディエンヌBrittany Broski、さらには可愛らしいことで人気の犬のJiffpomなどが仮装を楽しむ姿を見せ、インフルエンサーの拡散力でTikTokユーザーにこのキャンペーンを認知させました。

毎年少しずつ趣向は異なりますが、Booritoキャンペーンは「ハロウィーンの仮装」という若者が取り組みやすい投稿テーマにしていることが、投稿行動を誘発し拡散へとつなげていると言えるでしょう。またそこに共通した楽曲を設定していることも、閲覧者にキャンペーンを認知させやすくしています。2021年は特に商品の購入を必要としない形で実施され、「#Boorito」タグは40億回以上の閲覧数を記録しています。

医薬品業界もTikTokにチャレンジ「#BeatTheZombieFunk」 : Mucinex

Youtube: https://youtu.be/hq9TS_zxngA

医薬品ブランドの悩みは、広告に対して慎重でなければならないこと。そのため多くのブランドが製品を直接宣伝することを避けていますが、このハッシュタグチャレンジ広告はそれを乗り越える良い仕組みと言えそうです。

風邪やインフルエンザの関連症状を緩和する製品を発売している「Mucinex」は、TikTokを初めて使った医薬品ブランドといわれています。2019年の「#TooSickToBeSick」キャンペーンに続き、2020年には「#BeatTheZombieFunk」キャンペーンを実施。「ゾンビダンス」を発表しチャレンジとして呼びかけました。

この動画にはマスコットキャラクターであるユニークな「Mr.Mucus」のブランドエフェクトを使うことが推奨され、ユーザーの投稿に面白みを加えるとともにキャンペーンの一体感を演出することに一役買いました。

@josettepimenta The looks we got while filming this 🤣 #BeatTheZombieFunk #twitch #zombie #tiktok @lizzyrichyo DC: @twitchtok7 @allisonholkerboss @ellendegeneres ♬ #BeatTheZombieFunk – DJ Nightshift

TikTok: https://www.tiktok.com/@josettepimenta/video/6796765459321605381

TikTokでよく使われる技法「トランジション(ビフォーアフター)」を使って「症状の前と後」を、表現できることも製品とマッチしています。

結果的には50億を超える閲覧数に到達し大成功。真面目な医薬品ブランドでも、ユーモアを添えることで親しみやすさを演出できた好例と言えるでしょう。

「買える」機能がついたハッシュタグチャレンジに初挑戦「#TransformUrDorm」 : Kroger

食料品販売大手「Kroger」は、TikTokの「ハッシュタグチャレンジプラス広告」を採用した最初の企業です。 ハッシュタグチャレンジプラスを使用すると、ユーザーはアプリから直接マーケティングキャンペーンのハッシュタグに関連付けられた商品を購入できます。

このキャンペーンでは「大学生の寮生活の必需品をKrogerで買ってほしい」というメッセージを主軸に置き、シリアルやスナック、トースター、ハンガーなど学生寮内の必要品を買う動画を「#TransformUrDorm」タグをつけてTikTokに投稿することで参加できる仕組みです。

このキャンペーンは有名インフルエンサーであるJoey Klaasenをはじめとするの4名(合計で1,380万人のフォロワー)による拡散も行われました。彼らの投稿は、当時合計で300万回の視聴、25万2千回のいいね、1352回のコメント、1747回のシェアを獲得したそうです。

@joeyklaasen My dorm lookin fire now 😝🔥 Thanks Kroger! #transformurdorm #ad #foryou #trend ♬ original sound – Joey Klaasen

TikTok: https://www.tiktok.com/@joeyklaasen/video/6723902003162008838

新しく入居した寮の部屋に自分らしさを加えるという、新入生みんなが参加したくなるような動画が多く、「#TransformUrDorm」タグがつけられた動画の閲覧回数は8億回以上となったそうです。

行動を誘発できるのが、ハッシュタグチャレンジの強み

TikTokはレコメンド機能が非常に優秀で、アプリ上の行動からユーザーの好みの投稿を選び出すのはもちろんのこと、同じような投稿ばかりがタイムラインに上がらないようにもしているとのこと。そのため、投稿に対する反応率が高く、拡散も誘発されやすくなっているようです。さらにはYoutubeやInstagramと異なり、音楽やダンス、ジョーク、ファッションなどを「真似したりアレンジすること」を文化として、気軽な動画が投稿できるのも特徴です。

ハッシュタグチャレンジ広告は、このシステムと文化を最大限に活用していると言えるでしょう。施策をひとつひとつ紐解いていくと、バナーやおすすめハッシュタグといった広告枠を買い取る形の純広告という形態をとりつつ、投稿や拡散を促すインフルエンサーを使ったバイラル広告も組み合わせており、日本でも若年層向けコスメブランドなどを中心に利用されています。

インフルエンサーの投稿を、ユーザーが閲覧するだけの受け身の広告とは違い、投稿や拡散といった行動を誘発しやすいハッシュタグチャレンジ広告。参加者の記憶に残りやすく、その結果ブランドへの信頼感も高められるのではないでしょうか。インフォバーンでも、TikTokをはじめとするSNSで心や行動を動かす施策をコミュニケーション設計からお引き受けいたします。ぜひご相談ください

Illustration by Getty Images

EX Journal編集部

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