日経BizGateのリニューアルに伴うデザイン・機能の刷新とシンボルマークとロゴタイプ制作の支援

読者の利用拡大を目指すことを目標にブランド全体をリニューアル

『日経BizGate』は日本経済新聞社が運営している『日本経済新聞電子版』の姉妹サイトであり、様々な課題解決に向き合うビジネスパーソンが必要とする情報に特化した無料のウェブメディアです。

近年、多くの大手新聞社は、従来の新聞発行にとどまらず、自社メディアの電子版や、特定のテーマやコンセプトを掲げたデジタル媒体の運営に力を入れています。これらの媒体では、メディアビジネスの拡張が重要な課題となっており、日本経済新聞社も例外ではありません。

本プロジェクトは、『日経BizGate』がビジネスパーソンに対して、実用的な社会課題の解決に役立つ情報を提供するとともに、クライアントの社会的意義を魅力的に発信するプラットフォームの構築を目的としています。その実現に向けた適切な手段の一つとして、サイトリニューアルが検討され、インフォバーンが要件定義の段階から参画することとなりました。

インフォバーンは、目指すべきゴールを明確に整理したうえで、新しい『日経BizGate』のコンセプトに沿った方針を策定。情報設計やサイト構造の見直しはもちろん、シンボルマークやロゴタイプを含むデザインの全面的なリニューアルを提案・実施しました。

目的整理と提供価値の明確化による全体方針の策定

まずは本プロジェクトの要件定義として、クライアントが今回のリニューアルで掲げる目的を正確に把握し、その実現に向けて、具体的なペルソナの設定や、多様なステークホルダーに向けた訴求軸を明確化しました。さらに、読者が求める価値と、メディアとして提供すべき価値の両面を踏まえたうえで、新たな『日経BizGate』のコンセプトを起点にリニューアルにおける全体方針を可視化しました。

機能的なデザインでメディアビジネスの拡大に貢献

サイト設計においては、まず揺れのある用語や煩雑なタグの整理、膨大なアーカイブ記事の分類などを行いました。その上で、モバイルファーストを前提に、ユーザーのエンゲージメント向上を図るために、以下のような機能を加えました。

まず、トップページのメニューでは、各テーマにカーソルを合わせるとメガメニューが展開される仕様にしました。メガメニュー内では、各テーマの概要を紹介するとともに、関連するプロジェクトや特集記事を整理し、一覧で表示しています。これにより、ユーザーが関連情報をひと目で把握でき、興味のあるコンテンツへスムーズに遷移できる導線設計としました。

さらに、クリッピング記事一覧では、保存した記事がすぐに見つけられるよう、50件まで保存可能な記事をカテゴリごとに分類し、検索性を高める工夫を施しています。

コンセプトに基づくデザイン戦略

『日経BizGate』が提供する価値や編集部の理念を起点に、「信頼性」や「知的好奇心」といったキーワードを主軸に据え、情報の発信力とビジネスユーザーの受容性を両立するデザインを設計しました。さらに、画面上での視認性・操作性に配慮したレイアウトや要素設計を行いました。

象徴的なモチーフを活かし、メディアの価値を伝える役割を

編集部に親しまれていた「扉」モチーフとブランドの頭文字「b」のかたちを踏襲しつつ、小さな画面でも見やすい設計とし、デジタルメディアに適した表現にアップデートしました。ユーザーに信頼感と革新性を感じさせることを意図しながら、『日経BizGate』が提供する価値観や理念を視覚的に体現した、汎用性と判別のしやすさを兼ね備えた現代的なシンボルに仕上げています。

自社の内製化を見据えたアプローチ

要件定義からサイト設計とデザイン、シンボルマーク・ロゴタイプのリニューアルまでを遂行して終わりではなく、その後の内製化を見据えた運用を支援するために、サイトデザインおよびロゴのガイドラインを制作しました。制作の背景やコンセプト、プロセス、狙いなどを明記することで、一貫性のあるサイト運用やロゴの活用を可能にしています。

リニューアルサイトを2025年3月に公開

2025年3月末より、リニューアルした『日経BizGate』のサイトが公開されています。
メディアビジネスの拡大を目指して始動した本プロジェクトでは、サイトデザインの刷新に留まらず、ロゴやシンボルの再設計、ユーザービリティを考慮した機能面での工夫、さらには今後の活用を見据えたガイドラインの策定など、幅広いデザイン領域での支援を実施しました。

日経BizGate編集長　原田洋 様