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【海外事例】フェムテックや企業により加速する、女性のエンパワーメント成功事例4選

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女性の権利を主張するメッセージはインターネット上に年々増加しており、近年は、女性の健康や性の問題を技術で解決するフェムテックも登場しはじめました。これら女性のエンパワーメントに対して支援するような商品やサービスはプロモーションもユニークです。今まではタブーとされていたこと、認識されなかったバイアスに基づいていた人々の意識を、どのように変えるのかという点からスタートすることが多いようです。フェムテックやそれを提供している企業では、どのようなコミュニケーションを行っているのか、見てみましょう。

女性が主体性を取り戻すための知識と意識の改革を | Hertility

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「Hertility」は英国に本拠を置くフェムテック企業。自宅で行えるホルモン検査を通じて、女性の健康、特に生殖能力について調べる機会を提供しています。実は、女性の92%が自身の婦人科系の健康状態について十分な情報を持っておらず、異性愛カップルの7組に1組が不妊症を経験していると言われています。Hertilityはすべての女性に自分の生殖に関する健康と生殖能力に関する知識を与えることを目指しており、女性の決断をサポートしています。

このパーパスを広めるために2023年「The Mother of All Movements」というキャンペーンが実施されました。ロンドン全土の350以上の屋外広告で、女性の生殖能力、不妊症、生殖に関する健康を取り巻く状況、ジェンダーによる健康格差についての警告を鳴らしました。

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この屋外広告は「あなたにはいつか子どもを持つ予定があるか?」という問いに「あなたには関係ない」という回答を突きつける刺激的な広告です。これにより、女性の妊娠について、女性自身に決定権があることを促しているのです。

さらに、女性の身体の力をテーマにした動画「Ooh Someone’s Hormonal」も公開されました。

YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=jsPKYCD1CvA

この映像では、ダンスを用いながらも、女性ホルモンが女性自身に及ぼす影響や、タブーや誤解が生まれ正しく理解がされていないことなどを表現。これらは一貫して、女性が自分の身体を知り、知識を得ることは、女性が自分で主体的に選択ができるようになることなのだ、というメッセージが込められています。

これらを合わせたキャンペーンは、#TheMotherOfAllMovementsというハッシュタグを通して、Tiktokやインスタグラムなど、SNSでも広く拡散されました。

フードデリバリー企業の新商品“バラの花”を配達 | DoorDash

YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=f90ORAVPGSc&t=1s

パンデミック以降、世界中でバレンタインデーを⼀⼈で過ごす⼥性がこれまで以上に増加したと言われています。そこで女性に支持を得ている米国のフードデリバリーサービス「DoorDash」は新たな取り組みを実施しました。

それは独⾝の⼥性にもカップルと同じようにバレンタインデーを楽しんでもらうため「自分だけのバレンタインを祝おう。自分のために花を買おう」というメッセージである商品の販売キャンペーンでした。

その商品とは、赤いバラ11本に特別なバラを加えた花束です。その特別なバラ、というのは全米の女性に大人気のザ・ローズという女性用バイブレーターのこと。これを「セルフ・ラブ・ブーケ」として販売しました。これをバレンタインデーまでの4⽇間、DoorDash限定で販売したところ、発売から4⽇間で売り切れる結果に。最終的に1700万ドルもの売上を達成し、地元の花屋の売り上げも前年の2倍の600万ドルになりました。TikTokを中心としたソーシャルメディアでも広く拡散されて全米で話題になり、ソーシャルリーチが96万回、インプレッションは合計で約80万回にもなりました。

このキャンペーンを通して、DoorDashは独身女性に幸せの時間を届けるというブランド体験も提供することができブランドイメージが向上。大成功だったと言っても良いでしょう。

率先してタブーをとりはらうことで、女性を支援 | Caria

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世界中には閉経周辺期の女性(40〜55歳)の女性が 10 億人ほどいます。そのうちの
75%が、不安、うつ病、セックスの痛み、精神的なモヤモヤ、関節痛などの症状により、精神的、身体的、性的健康への影響を経験しているというデータがありますが、この現状はあまり知られていません。

また42%の女性が閉経期に現れる体の不調に対する原因と適切なケアを見つけるのに1年以上を費やしており、3人に 1人は、更年期障害の症状が治療されないと仕事に影響を与えると述べています。そのため、専門家らは女性がキャリアのピーク時に職場を離れる可能性があると警告しています。

米国のスタートアップ企業「Caria」は、そんな状況で苦しむ女性を、AIを用いた個別のケアや科学的根拠に基づいたプログラム、そしてコミュニティで支援するサービスを開発しました。

そのアプリのプロモーションのため2022年にCariaは革新的なキャンペーンを行いました。ニューヨークのタイムズスクエアの真ん中にある巨大なビルボードに、タブーとされがちな更年期障害についてのメッセージを掲げたのです。それは今までに例を見ない取り組みで、大きなインパクトを与えました。

Webサイトでは4人の女性が自身の体験と、更年期障害についての戸惑い、情報不足による不安な気持ちについて説明する動画は、更年期障害がどのような物なのかが、当事者以外にもわかりやすく、女性の共感を呼ぶものに仕上がっています。

テック業界で働く女性にスポットライトを当てる驚きの手法 | UN WOMEN FRANCE &SISTA

YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=RfadbZ7WZQE

ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連女性機関である「UN WOMEN FRANCE」とフェムテック投資ファンドである「SISTA」は「InMySeat(TakeMySeat)」という衝撃的なキャンペーンを実施しました。

何が衝撃的だったかというと、LinkedInをハッキングし、ロレアルのCEO、Google副社長、フランス大統領など、要職についている男性をテック業界で働いている女性のプロフィールに変えるとどのようなことが起こるのかという社会実験を行ったからです。

このアイデアの発端は、フランスの労働人口の約半分が女性にも関わらず、テクノロジー業界の従業員の女性率が20%に過ぎないという事実から来ています。これに光を当てるためにキャンペーンは企画されました。

キャンペーンは、男女平等を掲げる国際女性権利デーにちなみ、2023年3月8日に行われました。内容は、LinkedIn上でたくさんの人から閲覧されて注目を集めている世界的企業の男性マネージャーの名前とプロフィール写真をテック業界の女性のものに変更しその業績をアピールする、というものでした。当初数名から始まったこの交換は、開始すぐに他の男性CEOやCMO、CTOからも参加の申し出がありました。そして最後にはついにマクロン大統領までも参加を希望するまでに至ったのです。

その結果、このキャンペーンは合計740万人にリーチし彼女たちはそれぞれに、CEOやテクノロジー担当大臣と面会するなどのネットワークを作ったり、自身の事業を成功させたりすることができたのです。

予算がゼロという状況で、女性の権利や仕事における男女の不平等を訴えるPRとしては、これとない大成功になったといわれている事例です。

女性のエンパワーメントの余地は、まだまだ残っている

フェムテックやフェムテック企業が注目される中、女性をエンパワーメントするPRや広告のアプローチは、今後さらに増えていくでしょう。悲しい事実ですが、女性の悩みや女性に対する壁が多種多様に存在する現代では、企業が取り組む余地のある女性へのエンパワーメント・ストーリーはまだ尽きることはありません。インフォバーンでは、ひとりひとりに届きやすいソーシャルメディアを軸に、貴社の強みとそれを効果的に伝えるストーリーテリングを行います。ぜひお気軽にご相談ください。

Illustration by Getty Images

EX Journal編集部

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