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はじめに:インフォバーンのコンテンツマーケティングについて

株式会社インフォバーン ロゴ画像

こんにちは、インフォバーンの小林です。

今回、わたしたちが考えるコンテンツマーケティングについてお話しますが、実は、コンテンツを活用したマーケティングという概念は、さほど目新しいものではありません。WOMM(クチコミ)マーケティングも、ソーシャルメディアマーケティングも、コンテンツが共感されて初めて人々の口々に語られていきます。ですので、話題を喚起させるために、あるいは世界観を共有するためコンテンツが戦略的に用いられているのなら、それはコンテンツマーケティングと言えるでしょう。そして、それは古い時代にまで端を発します。

また、クロスメディアマーケティング、メールマーケティング、ブログマーケティング、ツィッターマーケティング等々、コンテンツを用いたマーケティングの呼称は変化し続けてきました。その目指すべきところは、売上貢献やCRMのために用いられたり、ときにCSR、IR、PR活動を通じて認知を広げる際に用いられることもあります。しかし、これもまた、それぞれが目指すべきところは大きく異なるものではないでしょう。

 

Web担当者Forumミーティング2013 Springにて>

 

では、わたしたちが考えるコンテンツマーケティングとは何なのでしょうか? まずそこから説明させてください。

弊社は創業時よりコンテンツセントリック(コンテンツ中心主義)を唱えたコミュニケーション・エージェンシーとして活動してまいりました。今日に至るまでにも、前述したような「ほにゃららマーケティング」を常に先駆けて実施してきたという自負はあります。

しかし、いま考えれば、それら「ほにゃらら」とは、チャネル(各ソーシャルメディアやツールなどコンテンツ流通の経路)の名称であり、いま振り返ると、各時代に登場した新たなチャネルに特化したマーケティング手法を指していたと思います。

今ではそのチャネルも複数存在し、そこで築かれたユーザーとの関係性も含めて、企業はそれらをどう総合的に、あるいは戦略的にチャネルを選別するなどし、コンテンツを活用すべきか悩ましい状況下にあると言えます。

そして、その前提として、企業が自社独自のチャネルを運営するといったオウンドメディアもにわかに注目されました。同時に、ユーザーが自ら企業のコンテンツを取得しに訪問し、それに向けたインバウンドマーケティングが必要だという認識も業界を中心に広まりつつあることで、コンテンツ活用とその効果測定および、エコシステム構築が急務になってきたと思われます。

加えて、コンテンツ流通のためのCMSや解析ツール類も進化しています。ビッグデータの活用も視野に入れるべき時がすでに訪れています。それにより、いくらデジタル上のメディアとはいえ、これまでの放送や出版のように一様にユーザーに向けてひとつのコンテンツを用意するだけでは、ツールや環境は整ったものの手法だけが旧態依然としていて、はたして効果が上がるのかといった疑問を残します。

そこでアテンションを獲得するためのみにコンテンツを機能させるのではなく、ユーザーのインテンション(意思)に添い、共感や愛着(エンゲージメント)を高めるべくコンテンツが配信される、それがコンテンツマーケティングの核心となります。

もう少しだけ付け加えると、ユーザーのインテンションに働きかけるコンテンツとはどんなものでしょうか?

米のコンテンツ戦略家であるジェイ・ベアー【注5:Jay Baer氏のサイト http://www.convinceandconvert.com/ も参照のこと。】は「YOUtility(ユーティリティ)」という造語で、コンテンツの在り方を説いています。「YOUtility」とは、YOU(あなた)を助けるコンテンツです。モノやサービスを売り込むのではなく、潜在顧客や既存顧客らを助け、自社を認識してもらうために、コンテンツを使うという考え方です。

これはわたしが自著『メディア化する企業はなぜ強いのか』でも紹介したアドボカシーマーケティング(M.I.T.のグレン・アーバン教授が提唱。顧客との信頼構築のためには、一時的には自社の利益にならない情報でも、顧客のために積極的に提供していく。そこから生まれる信頼を活用していく)といった考え方にも通底しています。

ユーザーのインテンションに働きかけるためにも、まずファインダブル(探されやすい)であり、ラバブル(愛される)でなくてはなりません。しかし、それはコンテンツだけではなく、次のような要素が必要になってきます。

コンテンツを届けたい相手は誰なのか? そのコンテンツを使うべきチャネルは? 使う時期は? 使ったことによってどのような変化をユーザーに促したいのか? また、それをどのくらいのROIとして見積り、なにをいつまでにどの程度達成するのか? ほかにも多くの課題がありますが、おおよそ上記のようなコンテンツマーケティングのためのプラン立案から実際の運用まで一連のサイクル、ないしはそのうちの重要項だけでも構築する必要があります。

そして、その結果に対する分析も含めて、もっとも効果的な結果を導き出すコンテンツとして練り上げ、配信の時期や配信すべき相手を調整し、日々変化させていくことでコンテンツマーケティングとなります。

コンテンツマーケティングは、これまでのマス媒体等への出稿といったアウトバウンドマーケティングと競合するものではありません。むしろ、それらをどう組み合わせるかで、さらなる効果を引き出せるといっても過言ではありません。

わたし自身はそれを「コンテンツ政策」と呼んでいます。このコンテンツ政策を行い、ここでいうコンテンツマーケティングのサイクルを回せる企業こそが、今後のアナログ/デジタル、アウトバウンド/インバウンドを縦横したマーケティングのみならず、ユーザーとの関係性構築において機先を制することができると考えています。コンテンツは、旧来よりユーザーの新たな行動喚起へのトリガー(引き金)を引くために用いられてきましたが、それらがどのくらい効果的だったのか計測できる現代において、戦略性が強く求められているのです。

 

コンテンツマーケティングの先駆者として

わたしたちインフォバーンは、企業におけるコンテンツ中心型のマーケティングを支援してきた先駆として、全体のフレームワーク設計からお手伝いすることが可能です。さらに、ユーザーを絞り込み、各セールスファネルを通過する個々のユーザーに対して、どのようなコンテンツを配置するか、またどのようなチャネルが適切かをお客様と共に求めます。そして、それらコンテンツの流通を後押しし、中長期において運営していく術を知っています。

それらは単純な雛形を使って求められるものでもありません。お客様のビジネスとそのユーザー、またはコアコンピタンスによって必然的にオーダーメイドとなるのです。そのためには、まずお客様のビジネスモデルを理解し、目的を明確化させ、予算とやれる範囲を絞り込む作業が必要です。ただ、面白いコンテンツを投入すればよい、というだけでは足りません。わたしたちは納品しておしまいではなく、最初の設計から運用までおつきあいして、はじめてコンテンツマーケティングが遂行できると考えています。

さらに、それらに適した解析手法やツールを、お客様の保有するシステムにあわせたかたちでの提案および開発する用意もあります。

それらをワンストップで行い、お客様と一緒に悩みながら解決し、ゴールを目指すわたしたちインフォバーンには、各分野のエキスパートが揃っています。その総合力で、皆さんのコンテンツマーケティングを成功に導くためのお手伝いをさせていただきます。

まずは、各スタッフたちによるコラムをご覧いただき、わたしたちの考えるコンテンツマーケティングの一端に触れていただければ幸いです。

小林弘人

インターネット登場以前のニューメディア時代から現在まで、常にITによって変容するメディア・コンテンツの開発やソーシャルメディアを利用したプロモーションに携わるなど、ITメディア界の仕掛け人として多方面で活躍中。メディアプロデュースと経営の傍ら、講演やメディアへの寄稿もこなす。著書に『新世紀メディア論——新聞・雑誌が死ぬ前に』(バジリコ)、監修と解説を務めた『フリー〈無料〉からお金を生みだす新戦略』(NHK出版)は翻訳書として異例の18万部を超えるベストセラーに。