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2014.2.13

昔、「台割」ありけり…

いや、「台割」は今もあります。雑誌や書籍の現場では、不可欠なものとして使われています。

こんにちは。インフォバーンの増田です。私は、かれこれ20数年前に、広告系の制作プロダクションで仕事を始めました。広告系でしたが広告の仕事はほとんどなく、広報誌や社内報など「ページもの」の制作に携わることがほとんどでした。

そうした仕事の中で、よく作っていたのが「台割」です。構成案とも呼んでいました。簡単に言うと、8ページとか、16ページとか、32ページの印刷物で、どのページに、どんな内容、どんな写真を掲載するかをまとめた書類です。

具体的には、こんな感じ。エクセルで作っていました(エクセルの前は、ワープロの表機能を使っていました。書体や文字サイズに凝りすぎて、ワープロがハングアップしたこともありましたw)。

ダミー台割_0213

 

もちろん、この台割はダミーです。20数年前、初めて作った台割を思い出しながら作りました。とある国の、とある州の企業誘致パンフレットでした。

今回、コラムを書くにあたり「実際のサンプルを」と思ったのですが、実は見つかりませんでした。この形式のものをもう長いこと作っていないのです。仕事内容が印刷物からWebコンテンツにシフトしたからです。ページ数の制約がなくなったので、台割をつくって、全体構成を検討する必要がなくなってきたのです。

 

Webマガジンというフォーマット

もう10年くらい前でしょうか。Webでコンテンツを展開していく際に、これまで紙の雑誌で行っていたことを、そのままWeb上で展開する「Webマガジン」という形式が人気でした。

表紙、目次、グラビア、ニュース、メイン特集(第1特集)、サブ特集(第1特集)、連載、コラム…と、文字通り、紙の雑誌をWebで展開していました。

その際は、まだ台割を作っていました。ページ数の制約はなくなったのですが、マガジンとしての「まとまり」が求められたので、台割で全体の構成や流れを確認していました。

でも、それもなくなってきました。もうおわかりかと思いますが、マガジンのような「まとまり」を持ったコンテンツがなくなったからです。「なくなった」は言い過ぎですね。主流ではなくなったからです。

マガジンとしての「まとまり」を持たせて展開していた時は、頻度も、月刊や隔週刊のサイクルでした。いまのWebの中で「月刊」や「隔週刊」のコンテンツは、ちょっとイメージしにくいですよね。

 

フラットコンテンツ

そして、スマートフォンでの閲覧が増え、さらにキュレーションサイトやSNSでの拡散を意識していく中で、特集とか、連載とか、グラビアとか、コラムとか、そうしたコンテンツの「種別」もあまり意識されないようになってきました。

制作サイド、発信サイドでは、日々発信していくコンテンツの中で、バリエーションを出し、少しでもたくさんの人に見てもらうために、コンテンツの種別を意識しています。

しかし、今はどんなコンテンツでも、スマートフォンの小さな画面の中に、あるいはキュレーションサイトのフォーマットの中に、SNSのタイムラインの中に「格納」され、拡散していきます。「まとまり」や流れ以上に、スマートフォンで見られて、キュレーションサイトやSNSでいかに拡散していくか、を意識することの方が、より重要になってきたのです。

インターネットの通信では、データはパケットという小さな単位に分解されてネットの中を流れて行きます。そして、受信側でパケットに分解されたデータを再構成して、再び意味のあるデータとして受け取ります。

今のWebコンテンツは、コンテンツが小さな単位に分解されて流通し、その小さな単位のままユーザーに閲覧されています。かつて「台割」で意識された、まとまりや、流れはもはや重要なことではありません。

フラットデザインという言葉がありますが、コンテンツもまとまりや流れ、種別は意識されなくなり、フラット化しています。「フラットコンテンツ」の時代です。

 

今回、何年かぶりに「台割」を思い出したのは、アプリで提供されている週刊のコンテンツに触れたからです。アプリを開くと、まずコーナー毎のタイトルが目立っています。編集のワザを感じます。アラフィフ世代としては、フラットコンテンツのニーズを理解しつつも、こうした「まとまり」と種別を意識したコンテンツに馴染みを感じます。

そして、馴染みを感じるだけでなく、コンテンツを流通させ、よく多くの人に受け取ってもらえる新しいカタチの創出に常にチャレンジしていきたいと考えています。その時には、新しい「台割」が存在しているかもしれませんね。

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