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2014.3.7

【カンファレンス報告】IxDA 「Interaction14」in Amsterdamに行ってきました

みなさま、少々のご無沙汰をいたしております。
インフォバーンKYOTOの井登です。

浮世でいう年度末の慌ただしさに流され少し時間が経ってしまいましたが、今回のぼくのコラムは、先月2月5日~8日の4日間参加して参りましたオランダ・アムステルダムで開催されたインタラクションデザインのカンファレンス「Interactin 14」の簡単な報告をさせていただこうと思います。

interaction14_logo

 

最もデザインされたカンファレンス?

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IxDA(Interaction Design Association)主催のこのカンファレンスは、一部では「最もデザインされたカンファレンス(most designed conference)」と評されるほど、カンファレンス全体の経験価値がとてもよくデザインされたカンファレンスとして知られています。

今年でいうと、アムステルダム市内の以前ガス工場だった古い建物を使った会場の設えや、エキジビションエリアでのスポンサー企業(デザインファームやMicrosoft社を始めとする、広くインタラクションデザインに携わる企業)があちこちで開催する臨場感あふれるデザインワークショップ、セッション前後の演出や素晴らしいケータリングなどなど、会期中つねにワクワクした気分と全てを体験しようという気持ちを途切れさせない工夫が随所になされ、まさにコンテキストとコンテンツの両面が非常に丁寧で繊細にデザインされていました。

カンファレンスに没入するためのインタラクションデザインがきちんとなされているんですね。


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“Language Of Interaction Design”

肝心の内容はというと、今年のカンファレンステーマである”Language Of Interaction Design”が明示するように、あらゆるインタラクションの源流ともいえる”Language=言語”について様々な側面から捉え直し、意味を見出し、人と社会そして企業にとってより良い関係を築いていくためにデザインができることは何か? にフォーカスしたカンファレンスであったのではないかと感じました。

初日のキーノートを務めたKlaus Krippendorff教授は、日々行わている言語による相互反応を”Languaging”と呼び、言語学・言語哲学の考え方をも引用しながら「対話」に焦点をあて、human computer interaction(HCI)と”Languaging”との関係や、今後デジタル技術がこれらを代替していく可能性や限界などについての提言を。

また2日目のキーノートでは、かつてYahoo、Googleなどでデザイン責任者を務めたIrene Auが別のアプローチとして、自身も習得を極めるヨガをテーマに身体的アプローチからのインタラクションの重要性を話してくれました。

Ireneのキーノートは、参加者全員を巻き込み、その場でできるヨガ・エクササイズを行うというとてもフィジカルなセッションで、文字通り会場全体の一体感を感じられたことからも、身体性がもたらすインタラクションの重要性はその場にいた皆が感じたはずです。

これらのキーノート以外の各セッションではいわゆる”サイロ問題”(マーケティングやデザインカンファレンスでは頻繁に議論されるテーマ。日本でいう”部門間のカベ・軋轢”です。課題は万国共通ですね。苦笑)を取り上げ、デザインチームとビジネスチームがより良い協業を実現するために共通”言語”として、インタラクションデザインの考え方がどう活用・実践できるか? というテーマであったり、モーションや人間の知覚反応といった”非言語”情報による相互反応性のデザインなど、いま話題のNUI(natural user interface)やウェアラブルデバイスにおけるインタラクションデザインの実践に関する話題も多数盛り込まれ、“interaction”という名を冠したカンファレンスの面目躍如というセッションやワークショップが多数見られたことも印象的でした。

 

LANGUAGE,CONTEXT,EMPATHY

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このように、インタラクション(デザイン)という共通のテーマ、プロトコルを軸としながらも(硬軟織り交ぜ)非常に幅の広い話題が、一見すごくカオスに繰り広げられているように見えて、ほぼ全てのセッションに共通していることは、「インタラクションの主体となるユーザーへの深い理解と愛情」ではないかと感じました。

個人的に会期中に”ハッ”とさせられ、帰国後もことある度に反芻している言葉があります。

それはあるセッションでスピーカーが何度も繰り返し主張していた「ユーザーを”理解(UNDERSTAND)”するのではなく、”共感(EMPHASIZE)”するんだ」という言葉。

理解を超えた”共感のその先”にこそ、本来(ユーザーに)提供・実現すべきインタラクションが見える、という主張にグッときました。

そして、EMPATHYを対話に変えるのがCONTEXTであり、その媒介となるのがLANGUAGE、なのではないか? という論脈です。

 

  • LANGUAGE
  • CONTEXT
  • EMPATHY

これらのキーワードが(issue wordであることを差し引いても)多くの、ジャンルを超えたセッションで頻出していたことからも、共感と文脈、そして伝えるための言語というそれぞれの重要さを改めて感じたカンファレンスでした。

改めて結びに、本カンファレンスがmost designedであったことに賛辞と感謝を贈りたいと思います。

クリエイティブでオープンな場の設え、事前~会期中~会期後にわたる情報発信、連日夜に開催されるオフサイトミートアップなどのunconferenceな演出など、全てにおいて参加した人をdesignfulな気持ちにさせてくれるデザインのお祭りでした。

(最終日のクロージングキーノート終了後は、参加者全員で黄昏の運河をボートで渡り、古いお城のような美術館を舞台とするクロージングパーティ&デザインアワード発表会に大移動という演出。最後まで、美しいものとパーティが大好きなぼくにはうっとりの体験でした。)

そして、毎日刺激と豊かさを与えてくれたAmsterdamという町にも感謝を。

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来年は、San Franciscoでの開催となるようです。
ご興味持たれた方は、是非参加を検討してみてはいかがでしょう?
では、また次回のコラムでお会いしましょう。
京都より敬愛を込めて。ごきげんよう。

井登友一

 

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