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2014.11.26

キーワードは“体験をリッチに”。2014年最新海外事例が魅せるプロジェクションマッピングの未来

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photo:Thinkstock / Getty Images

 

映像を投影して、見慣れたものを「非日常」に変えるプロジェクションマッピング。その注目度の高さから、商用活動への利用が盛んです。また、最近では、その表現の奥深さから実験的な新しい取り組みもされています。

そこで今回は、独自性が際立った2014年最新海外事例を紹介。マーケティングに役立つプロジェクションマッピング活用のヒントを探ってみましょう。

舞台は街全体! 街中をメッシが駆けまわる

事例1:adidas「LEO MESSI–Football Back in Barcelona」

 

 

www.youtube.com

アディダスが行ったプロジェクションマッピングは、一つの壁、一つの場では収まりませんでした。新発売のスパイク“new adizero f50 Messi”のために制作されたPVでは、プロジェクションマッピングのための投影機を車に載せて街を駆け抜けることで、サッカー選手の躍動感を表現。

投影したのはサッカー界ではおなじみのスーパスター、リオネル・メッシ選手です。厳密な意味ではプロジェクションマッピングとはいえないのかもしれませんが、特に大げさな準備もなく(プロジェクターとそれを積んだ車だけで!)彼のパフォーマンスをバルセロナ市街の日常空間に入り込ませることができるのは、プロジェクションマッピングのもつ特性ならでは。その表現方法に新しいポテンシャルを示してくれる事例でした。

 

プロジェクションマッピングで、食事を異次元の体験に導く

事例2: Sublimotion 「theater of the senses」

 

http://www.sublimotionibiza.com/en/

地中海に浮かぶリゾートアイランド、イビザ。この島にあるレストランSublimotionでは、プロジェクションマッピングで食事に空間を融合しました。この事例で注目したいのは、壁や天井だけでなく、テーブル・食器にも映像が投影される点。冷たいメニューを食べる際には、部屋全体に北極の映像が投影され、まるでそこは極寒の世界に。机に投影された流氷を叩くと、氷が割れるなどのインタラクティブな演出もあります。

空間全体を使って食事体験をよりリッチにするこの演出を応用すれば、商品を並べる棚や店舗に映像を投影し、商品の世界観を伝えることも可能です。また、顧客とのインタラクティブなコミュニケーションをつくり出すことによって、商品を買うという単純な行為を一つのリッチな体験へと昇華させることもできそうです。

感動を独り占め! 個人で楽しむプロジェクションマッピング

事例3:AUDITOIRE 「Carte de Voeux 2014」

 

http://www.auditoire.com/s-757525/l

 

フランスの広告会社AUDITOIREは、個人で楽しむプロジェクションマッピングを提案しました。その仕組みは、カードを組み立て、QRコードで動画ファイルをスマートフォンに読み込み、レンズを使って組み立てたカードへ映像が投影されるというもの。大規模なプロジェクションマッピングとなると、高額な費用と技術が必要ですが、この方法であれば誰もが簡単に利用できます。

対象を小さくして距離を縮めることで実現したこのアイデア。これまではその場にいる人全員が体験を共有していましたが、その感動をよりパーソナルなものとすることができます。日本でもバンダイのハコビジョンが注目されましたが、今後はこのパーソナル化の動きが広がってゆくかも知れません。

 

エンジョイメントからエンリッチメントへ

従来のプロジェクションマッピングが提供していたのは「非日常性」、そこから感じるエンジョイメントでした。しかし、この3事例では、非日常性が私達の普段の生活に入り込み、普段の体験をより豊かなものにする、エンリッチメントするものへと変化してきています。

これまでは、実施するだけで話題となったプロジェクションマッピングですが、単に建物に投影するだけではただのエンターテインメント。今後、今回の3事例が示してくれたような、新たな展開が求められるのではないでしょうか。

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