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2014.11.21

先人から学ぶ! 利休の『利休七則』に見たWebディレクターの「おもてなし」

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photo:Thinkstock / Getty Images

こんにちは、学生時代は茶道部でした。Webディレクションユニットの宇尾です。おけいこ中に先生から教わった大切な教えの中に「利休七則」があります。「利休七則」とは、かの千利休が遺した言葉で、お茶の基本の心構えである「おもてなし」について記した七つの心得です。千利休といえば、安土桃山時代に茶の湯を道として大成させた有名な茶人。この利休の「おもてなし」の心が、さまざまな人とコミュニケーションをとりながら仕事を進めるWebディレクションと大きく通じる部分があると感じたので、ご紹介します。

 

まず、利休七則の心得をご紹介します。

利休七則

 1. 茶は服のよきように点て
 2. 炭は湯の沸くように置き
 3. 花は野にあるように生け
 4. 夏は涼しく冬暖かに
 5. 刻限は早めに
 6. 降らずとも傘の用意
 7. 相客に心せよ

それではひとつずつ紐解いていきましょう。

1.茶は服のよきように点て

「茶」は抹茶のこと。「服」は飲むこと(タバコを吸うとき、一服って言ったりしますよね)。「点てる(たてる)」は抹茶をにお湯を注ぎ茶筅(ちゃせん)で振ることをいいます。つまり、「抹茶は飲む人にとってちょうど良くなるように点てなさい」となります。自分の理想のお茶を追求するのではなく、相手のことを考えてときには少しお茶を冷ましたり、お菓子を食べる速さに合わせたりなどの気配りが必要ということですね。

自分のやりやすさや効率性ばかりでなく、受け手が「何を求めているか」をよく考えて内容を変えていくなど、資料作成やプレゼンの場で生かせそうです。

 

2. 炭は湯の沸くように置き

現代風に言い換えると「炭はお湯が沸くように置け」となります。お茶を点てるお湯は、たっぷりの水を釜に注ぎ、炭を使って沸かします。炭の準備はお客さまから見えないことも多いですが、ここを怠ると火がうまくおきず、お茶に泡が立ちません。

言葉だけ聞くと当たり前のようですが、裏方での準備を怠ると大切なところがうまくいかない、という教訓ですね。Webサイトでも、せっかくローンチしたのに検索結果にうまくひっかからないことがあったりします。META情報の設定など、なかなか表面では見えないところでも、要点をしっかりとおさえて準備することをの大切さを感じます。

 

3. 花は野にあるように生け

お客さまを招いてお茶を点てる際、必ず床の間に花を飾ります。その花の見せ方についての教えです。「野にあるように」というのは、野原の風景をそのまま切り取るという意味ではありません。大切なのは、剰余を取り除いた少ない要素で野原を想起させるという、本質を追求する姿勢です。

本質は何かを追求し、過剰な装飾をそぎ落とすことで、その魅力がさらに際立つということなんですね。要件定義の重要な指標になりそうです。

 

4. 夏は涼しく冬暖かに

利休の時代には空調などはありませんでした。そのため、夏には打ち水をしたり、冬には温かいお菓子を出したりなどして、季節感を演出しつつもお客さまが快適に過ごせるような工夫をしていました。自分のことばかりでなく、相手を思いやる気配りがあってこそできる工夫ですね。

Webサイトの運用においても、中身だけではなく外部要因に目を見張り、その時々にあわせて最適な施策を検討するなどに生かせるのではと思います。

 

5. 刻限は早めに

現代風に言い換えると「時間に余裕を持て」となります。ただし、ただ単に時間を守れという意味ではないようです。これは時間への意識にゆとりを持ち、焦りがなくなることで、心に余裕を持てるという心情的な教えです。

自分の中に余裕があるからこそ「おもてなし」の心が生まれるんですね。確かに、時間に追われてついつい相手の気持ちが考えられなくなってしまうことがあるものです。日ごろからスケジュールより早めに行動することを心掛けたいですね。

 

6. 降らずとも傘の用意

現代風に言い換えると「雨が降らなくても傘を用意しろ」ということで、不慮の事態に備えよ、となります。今は折り畳み傘がありますが、当時は突然の雨が降ると、濡れて帰るしかありませんでした。そんななか、出向いたお茶室に傘があれば、天気を気にせずにお茶を楽しむことができます。これは自分の心配を払拭して安心するためではなく、相手に余計な心配をさせないようにという心構えの教えなのです。

Webサイトの構築・運用は予定通りにいくことの方が稀ですよね。お客さまが不安になってしまわないように、起こりうる事態を想定したうえで、あらかじめ予防策を張っておくのもWebディレクターの大切な仕事です。

 

7. 相客に心せよ

「相客」とは同席したお客さまです。つまり、同じ席に入ったお客さま同士を思いやりましょう、という意味になります。上の六則では亭主からお客さまへのおもてなしが記されていますが、ここではお客さま同士でのおもてなしを記しています。お茶というものは、言ってしまえば”お茶を点てて飲む”というだけの行為です。それがなぜ「茶道」という芸道になっているかといえば、そこに人の心があるからではないでしょうか。お客さまへの一方的なおもてなしだけでなく、お互いに尊重し合うことで、ひとつの空気が生まれる。だからこそ、その時間は特別なものとなるんですね。

Webサイトでも、多くの人が携わる場合があります。クライアント、代理店、社内のメンバー、パートナーなどが、目的を共有して尊重し合うことで、すばらしい仕事ができるものですよね。

 

まとめ

互いに気を配り、尊重しあう茶道の「おもてなし」の心。今回記事を書くにあたって、相手を思いやるためには、まず自分自身が楽しむことが大切だと感じました。自分が楽しむことで心にゆとりが生まれ、だからこそ相手を思いやることができる。そんな利休の「おもてなし」の心を胸に刻み、今日も仕事に励みたいと思います。

 

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