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2015.5.22

ビッグデータとIoTでこれまでのマーケティングが変わる?

 

photo:Thinkstock / Getty Images

マーケターならば、「ビッグデータ」というキーワードをここ数年でかなり頻繁に耳にしているのではないでしょうか? 近年のマーケティング業界でこの言葉がバズワードとなっている背景には、IoT(Internet of things=モノのインターネット化)の潮流があります。

2015年1月、ラスベガスで行われた世界最大級の家電見本市Consumer Electronics Show(CES)では会場中がIoT製品で溢れかえりました。また、同年3月にバルセロナで行われた世界最大級のモバイル展示会Mobile World Congress(MWC) 2015でも、M2MなどのIoT製品がフィーチャーされ、モバイル端末を軸としたソリューションを提案する製品が数多く見られました。

そもそもIoTとは日常的に使用されるあらゆる「モノ」がデータソースとなってインターネットにつながることで、さまざまなサービスが利用できる技術のこと。たとえば、人々が持っているポイントカードやスマートフォン。誰がどこでどんなアクションを起こしているか、交友関係や行動パターンなどのあらゆる行動がデータソースになりうるのです。昨今では従来の製品やサービスをさらに高機能化した製品も数多く生み出されています。

今回はIoTがどんなことを可能にしたか、これからどんな使われ方が期待できるか、マーケティングの視点から事例と合わせて紹介いたします。

※Machine to Machine:モノとモノが人を介さずネットワーク上で情報をやり取りし、動作や制御を自動的に行うしくみ。

 

IoT×タイヤでさらなる安全性を。

事例1:PIRELLI─「CyberFleet」

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世界第5位の売り上げを誇るPIRELLI社は、160カ国で事業を展開。乗用車、モーターサイクル、バス、輸送トラック、モータースポーツにいたるまで、幅広い分野のタイヤを製造しています。

そんなPIRELLI社が提供する「Cyber Fleet」は、タイヤ内に取り付けたセンサーが、タイヤの空気圧、走行距離などのデータをリモートで監視し、走行情報、タイヤへの負荷、アスファルトの種類にいたるまで24時間リアルタイムでデータ収集するシステム。

走行位置やタイヤの状態などの解析がリアルタイムで行われることで、輸送時の安全確保という面での信頼感、ドライバーや乗客の安心感の向上につながります。効率的なメンテナンスの時期が把握でき、燃費向上も図れることから、商用車のコスト削減にも期待できそうです。

また、「この地域は道路状況が悪くタイヤトラブルが起きやすい」といったデータをもとにした予見解析も行うことができるので、タイヤの点検時期の検討にも役立ちます。

 

振動でナビゲーション。IoT×靴

事例2:Ducere Technologies─「Lechal」

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Lechal」は、2011年に設立したインドのベンチャー企業Ducere Technologies社が発表したスマートインソール。Bluetooth機能が搭載されており、スマホのアプリと連携が可能です。アプリから目的地を入力するとGPSを利用して目的地までの道順をバイブレーションで伝達してくれ、たとえば左折する曲がり角に行くと左足が振動して、直感的に「左折する」などの指示をユーザーに伝えてくれるのです。すべての振動と身体の動き・ジェスチャーから操作ができるという世界初の技術です。

また、フィットネス向けの使用も想定しており、「Lachal」からウォーキングやジョギングの歩数データをアプリに送り、移動距離などの情報から消費カロリーの算出などもできます。

「Lechal」は元々、視覚障害者のために開発された技術。振動で道を教えてくれるという点で、誰でも利用できる直感的なデバイスになっています。価格は150ドル(日本円で約1万8,000円)で、今年の5月に予約が開始されます。

 

収集コストを削減。IoT×ごみ箱

事例3:BigBelly Solar─「CLEAN Management Console」

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(Photo:via https://www.youtube.com/watch?v=v7y5-YzUHAY

ボストンのBigBelly Solar社はごみ収集に関するソリューションを生み出しました。「CLEAN Management Console」は、クラウドベースのアプリケーションで、専用のごみ箱に通信機能をつけることで収集すべきごみ箱はどれか、ひと目でわかるしくみになっています。地図上にヒートマップで示すことでごみの量を可視化し、効率よくごみ収集を行うことが可能です。また、これらの情報は、スマホ・PCから確認することができ、管理者のユーザビリティを考えた設計になっています。

作業の効率化だけでなく、ごみや環境問題の調査時には強力なソースになりそうです。

 

以上、IoTを媒介としてビッグデータを活用し、サービスを高付加価値化することに成功している3例でした。

あらゆるビジネスにおいて、その利用価値に注目が集まっているユーザーのデータ。どこで、どのように、なぜその製品が購入されたのか。ターゲットの行動とインサイトを詳細に把握することで、より精度の高いマーケティングを適切に行うことが可能になりつつあります。そればかりか、単純にデータを収集し整理するだけではなく商材やコンテンツ、キャンペーン情報などを、より効果的にターゲットに命中させるのも難しいことではないかもしれません。ユーザーの次の動きを性格に予測できるようになる日も近いのではないでしょうか。

今後もさまざまなIoTを活用したサービスや商品が生み出されていくであろう一方で、セキュリティーや取得するデータのプライバシーなど、解決すべき課題も多くあります。これらをいかにクリアにしていくかがIoT躍進のキーになりそうです。

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