ホーム ブログ 売るためのプロモーションこそ「...

売るためのプロモーションこそ「機能訴求」ではなく「文脈訴求」が必要|コクヨ株式会社様 事例

記事「売るためのプロモーションこそ「機能訴求」ではなく「文脈訴求」が必要|コクヨ株式会社様 事例」のメインアイキャッチ画像

2021年7月、コクヨ株式会社様(以下、コクヨ)は、ポストコロナに向けた働き方をアップデートする次世代インタラクティブ型コミュニケーションツール「MAXHUB(マックスハブ)」を発売しました。インフォバーンではそのプロモーションをご依頼いただき、コミュニケーション設計からメディア向けの記者発表会の実施と配信、販促物となるWebサイト・リーフレット・動画制作のご支援をいたしました。本記事では、ご担当の同社ファニチャー事業本部の加藤田歌様、三村和香様、大嶋菜生様と、インフォバーンのアカウントプランナー・根本拓馬にインタビューを行いました。

変化が激しい今、求められる「柔軟性とスピード」

ーー新型コロナウイルス感染症の拡大が「MAXHUB」プロモーションの時期と重なっていましたが、ご依頼いただくにあたって何か意識されていたことはありましたか??

コクヨ 大嶋菜生様(以下、大嶋):この一年は変化が激しく、市況が読みづらい状況だったということもあり、世の中にどう受け入れられるのかをより意識するようになりました。特に訴求するメッセージは、時勢によって受け取られるニュアンスが変わったりするので気をつけていました。

コクヨ株式会社ファニチャー事業本部 大嶋菜生さま
コクヨ 大嶋菜生様

コクヨ 三村和香様(以下、三村):そもそもコクヨの製品開発では、お客さまの課題を早い段階で汲み取りながら試作を作って、さらにヒアリングをしながらお客さまと一緒に完成度を上げる「アジャイル型」が増えています。製品の市場への投入スピードをいかに速くできるかが求められているので、製品の開発・製造スケジュール自体も短くなってきています。それに伴い、お客さまとのコミュニケーションも変わってきました。モノの使い方やそれを使った新しい働き方を一緒に考えていくので、コクヨ側からの一方的な提案ではなく、相互にコミュニケーションをとれる関係性になりました。だからこそ、これまで以上に速度と柔軟性が求められるようになってきていると感じています。

コクヨ株式会社 ファニチャー事業本部 三村和香さま
コクヨ 三村和香様

根本:コクヨ様は、オフィスづくりのプロとして企業の働き方改革をリードする存在でいらっしゃいます。従来のオフィスに対する価値観が刻一刻と変わるこの状況下では、プロモーションのあり方にとても気を使われていたと感じます。私たちもそれにお応えできるよう、時勢にあった最適なコミュニケーションをプランニングしようと思いました。

「機能」よりも「文脈」で伝えたい。企業の姿勢まで感じられるプロモーションに

ーー今回、私たちがプロモーションをお引き受けした「MAXHUB」とはどのような魅力のある製品なのか、改めてご説明いただけますか。

「MAXHUB」の製品紹介画像
「MAXHUB」の製品紹介画像

コクヨ 加藤田歌様(以下、加藤):「MAXHUB」は、「インタラクティブ・ホワイトボード」というカテゴリの製品で、モニターにカメラ、マイク、スピーカー、Windows OSが搭載されているオールインワンパッケージのコミュニケーションツールです。この一台があれば、その場で会議ができたり、ホワイトボード機能で書いた板書の共有や保存もできたりします。Web会議を促進し、ハブとしての役割を担います。

昨今、働き方改革やデジタル化という課題を抱えたお客さまが増えてきました。私が所属しているファニチャー事業本部では、机や椅子などのオフィス家具の製造販売をメイン事業として行っていますが、ひとつひとつの家具だけではなく、働く環境や働き方のコンサルティングなどといった総合的なご提案も行っています。「MAXHUB」はリアルなディスカッションや遠隔会議などを行う環境をより良くし、会議の質自体も上げることができるツールのひとつだと考えています。

コクヨ株式会社 ファニチャー事業本部 加藤田歌さま
コクヨ 加藤田歌様

ーー今回のプロモーションの中では、製品の機能訴求はもとより「文脈」をいかに伝えられるかに注力したと聞いています。

三村:当初、「電化製品ぽくない見せ方にしたい」という会話をしていました。「MAXHUB」を単なる電化製品として受け取られてしまうと、どうしても機能やスペックでの評価だけになってしまいがちです。「モノ売り」ではなく、オフィス空間の中でどう使っていただくかという「コト売り」のコミュニケーションを重視していました。

加藤:これまでどこにもなかった発明品のような製品なら、「こんな新しいものが出ました!」というメッセージの訴求でも充分かもしれません。昨今はそのような発明品は少なく、今存在するものが集約されたり、より便利になったりと「何かを更新した製品」がほとんどです。今持っているもので事足りているお客さまに対しては、隠れている課題や新たな価値に気づいていただくようなアプローチが必要となります。そういった、課題を課題と認識していないお客さまに自分ゴトとして捉えていただくためのコミュニケーションを突き詰めると、そこには「文脈」が欠かせませんでした。

根本:「MAXHUB」の販促プロモーションは、まさにその典型だったと思っています。Web会議用に既にモニターを持っている、マイクやスピーカーも持っている、そういったお客さまに自分たちの課題に気がついていただく、製品に興味を持っていただく、これが必要だと感じていただく。コミュニケーションの設計段階からクリエイティブに至るまでメッセージを一貫させるということに注力しました。

今、会議の形態はオンラインとオフラインが混在し、以前よりコミュニケーションの質やレベルが落ちたと感じたり、それを仕方がないと諦めていたりする企業も多いように感じます。そのような方々に向けて、まだまだコミュニケーションの質とレベルは上げられることや、それが「MAXHUB」の導入で実現すること、オフィス提案を通じてコクヨ様の目指すものが「創造性を高めるような、これからの時代の働き方」にあることまでわかっていただけるようなプロモーションを目指しました。

最適なタイミングで最適な情報量を。役割で販促物を作り分ける

ーー今回実施したプロモーションの概要を教えて下さい。

根本:販促プロモーションということで、主に2つを実施しました。ひとつは2021年7月1日の新製品発表会の実施。もうひとつは販促物の制作です。このプロジェクトは準備期間が非常に短い案件でしたが、弊社はコミュニケーション設計からご支援させていただきました。

まず新製品発表会ですが、可能な限りメディアや報道機関の方に製品に触れていただく機会を作りたいということもあり、オフライン開催は外せない要素でした。ですが、この時勢もあるので同時にオンライン配信も実施しました。

販促物として制作したものは、Webサイト、リーフレット、動画となります。新製品のため使える素材が多くはなかったので、撮影を行ったうえで、3種類の制作物へと展開していきました。

株式会社インフォバーン根本拓馬
インフォバーン 根本拓馬

ーー発表会の準備と複数の販促物を制作進行する上で、気をつけていたことはありますか?

根本:それぞれの役割を決め、情報を盛り込みすぎないことを意識していました。例えば、今回制作した動画の役割は「興味関心を喚起すること」でした。「MAXHUB」という製品がどういうものなのかを知らない方に向けた内容となっていて、オフィスでのWeb会議のシーンから始まって課題の自分ごと化をしていただくことを目的に制作していますので、製品の詳細なスペックについてはわざと触れていません。まずは「MAXHUB」という製品があることでどのような世界が待っているのかを知ってもらうことで、製品への興味関心を喚起し、その後の行動を促すことを狙いました。Webサイトやリーフレットにおいても同様に役割を明確にすることで、情報に接触するお客さまに最適な情報量のコンテンツを提示できるよう設計をしました。

大嶋:準備期間が短く、発表会と複数の販促物がどのように連携していくか模索する時間も無い中で、「ここまでやってくださるんだ」というのが正直な感想でした。当社のショールームでは、営業担当がタブレットでWebサイトを表示させてお客さまにご説明を差し上げることもできます。その想定も含んで、さまざまなデバイスで表示崩れがないように細部まで配慮してくださることに驚きました。

企業姿勢まで伝えるプロモーションには、「文脈」と「熱意」が必要

ーープロモーションのパートナーとして、インフォバーンを選んでいただいた理由や、ご一緒した感想をお聞かせいただけますか。

三村:記者発表会も販促物も、お客さまとコミュニケーションを取るための手法なので、それらが一貫した「文脈」であることを目指していました。その点、実際に担当いただいたインフォバーンのチームがそれを得意とされていたと過去の提案から感じていたので、安心して取り組めました。

加藤:相互コミュニケーションの中で、一緒に創っていく「共創」の関係で取り組めるという点もパートナーとして期待していました。依頼したことをそのまま制作に落とし込むだけではなく、こちらと対等な熱意で提案をくださり、製品やプロモーションに愛情を持って向き合ってくれている印象を受けました。

ーーコクヨ様の今後の展望をお聞かせください。

加藤:今回の「MAXHUB」のような「コト売り」でのプロモーションをする際、文脈だけでなく、その前段の「誰に、何を」を設定する必要があります。しかし昨今は市場変化も激しく、そういったものが複数同時に発生している状況です。その戦略部分の精度がその後の販促物のクオリティにも影響を及ぼすので、まずは自分たちが社内でそこを先導できるようになっていきたいです。

ーーインフォバーンも、より高いレベルでご支援していきたいですね。

根本:はい。コンテンツマーケティングで培ってきたコミュニケーション設計とクリエイティブ制作の強みを活かして、ご期待を少しでも超えられるよう、幅広いご支援を続けていきたいと思います。

PROFILE
※2021年9月時点

加藤田歌さま

コクヨ株式会社
ファニチャー事業本部 マーケティング本部
加藤田歌
商品企画や営業促進業務などを経て、新商品のプロモーションや自社イベントの企画を担当。現在は東京品川の自社オフィスTHE CAMPUSでニューノーマルな働き方の実践と発信にも注力している。

三村和香さま

コクヨ株式会社
ファニチャー事業本部 マーケティング本部
提案マーケティング部 デジタルプロモーショングループ
三村和香
入社以来、製品の販促企画や展示会イベントの企画・運営を担当。最近は、自社ホームページ上のコンテンツ拡充と、コンテンツマーケティングの仕組み作りに奮闘中。

大嶋菜生さま

コクヨ株式会社
ファニチャー事業本部 マーケティング本部
提案マーケティング部 プラットフォームグループ
大嶋菜生

2020年入社。製品の販促企画や展示会等での運営・広報業務を担当。新製品を中心にプロモーションの企画から実行まで一貫して関わらせていただいています。

根本拓馬

株式会社インフォバーン
エクスペリエンス部門
アカウントプランナー 根本拓馬
2017年にインフォバーン入社。Webディレクターとして数多くのブランドサイト・キャンペーンサイトの制作や運用を担当。そこで得たプロジェクトマネジメントスキルを軸足に、現在はアカウントプランナーとしてコミュニケーションプランニングから実行までを一気通貫して手掛けている。

INFOBAHN STAFF
アカウントプランナー:根本拓馬
コンテンツプランナー:佐々木智恵美
アートディレクター:荒井幸子
Webディレクター:舟橋亮太
動画ディレクター:斎藤滋

事例紹介|MAXHUB商品紹介サイト コクヨ株式会社

EX Journal編集部

IBXの最新情報や、マーケティングトレンド、コンテンツに関する話題をお届けします。