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2014.6.20

Webメディアは、いかにして生き残るべきか? 「Publish Asia 2014」レポート

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こんにちは。インフォバーンのメディアプランニングを担当している手島です。

今回は4月23日~25日の3日間、香港にて開催された「Publish Asia 2014」のレポートをお伝えします。ちなみに「Publish Asia」とは、年に一度のメディアのためのグローバルなカンファレンス。紙・デジタルと形態を問わず、世界のパブリッシャー達が一堂に会して、メディアの未来について意見交換するイベントとなっています。

会場は情報交換や商談に3日間、大変賑わっていました。

 

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今年の登壇者は、非常にバラエティ豊かなメンバー。

世界のジャーナリズムをけん引する「New York Times」や、アメリカで大注目されているデジタルバズメディア「BuzzFeed」など、メディアの新旧は問いません。また、スマホで操作できる高性能撮影用ヘリ「AR Drone」の開発者の方などもいて、非常に多角的な構成となっていました。

プレゼンテーマは、もちろん「コンテンツマーケティング」です。

 

Webメディアが生き残るために

今年のトレンドを象徴するものとして、「トラディショナルな新聞社が、ジャーナリズムの観点・発信力を維持しながら、いかにWebへ移行していくか?」という議論があげられます。 まとめると、大きな論点は、以下の3点。

  1. どのようにオーディエンス、マーケッターにとって価値あるメディアとなるか?
  2. どのパートナーが最適か(解析ツール、ネットワーク広告プラットフォーム)?
  3. Webでメディアが「独立」であり続けるためには、どうすればいいか?

たとえば、スウェーデンの大手新聞である「Scheibsted media group社」の「VG」は、Webへの移行をここ数年で加速させています。

すでに新聞の購買数よりWebでのUUが多く、収益源をWebにどう移していくかが課題になっていると、登壇者であるSverre Miunck氏は紹介してくれました。彼らはニュースポータルとしての「VG」のカテゴリを狭くしていくことで、ユーザーから課金してもらうマネタイズのチャレンジを行っているそうです。

その試みのひとつが、人気サッカーチームとの提携。「VG」内にカテゴリをつくり、チームに関するプレミアムな情報を毎日発信する場を提供し、ファンから有料コンテンツとして購入してもらう仕組みを作ったのだとか。メディアがオーディエンスにとって、価値ある場であるために、パートナーを選定し、Webでもメディアを成立させていく好事例といえるでしょう。

また、マーケッターにとって価値あるメディアのあり方として、大きな注目を集めていたのはネイティブアドでした。

 

「New York Times」は、ネイティブアドに舵を切る

「New York Times」のMichelle Haase氏は、マーケッターにとって「ネイティブアドが注目に値する考え方である」理由として、以下の3点をあげていました。

 

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Michelle Haase氏(Regional Advertising Manager – Asia, The New York Times)

  1. マーケッターとパブリッシャーは、共にストーリーテラーである必要が出てきた
     
    マーケッターはオーディエンスが情報を得るチャネルが増え続けているなかで、ブランドメッセージを「いつ?」「どこで?」「どのような形?」で接触させるかのストーリーを、より明確に描かなければならなくなっている。

    対してメディアは、コンテンツが溢れだしている現状で、より自らが発信するコンテンツのストーリーを意識しなければ生き残れない。

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  3. 新しいデジタル広告のフォーマットが必要になっている
     
    マスメディアで、マーケッターのブランドメッセージが届かなくなってきた。
  4.  

  5. 従来のWeb広告フォーマットではスマホユーザーに響かなくなっている
     
    Web上でブランドメッセージを伝えるにあたり、バナーをはじめとするこれまでのフォーマットでは、スマホ上でメッセージを表現する制限が多い。

Michelle Haase氏は「Think like an editor」という言葉で表現していましたが、オーディエンスに対してブランドメッセージを届ける際の考え方、フォーマット、手段として、現在ネイティブアドが最適な手段として紹介していました。「New York Times」では、この事例のような記事を実際に編集者が作成するフォーマットにして、マーケッターのブランドメッセージをオーディエンスに届ける支援を行っているようです。

メディアのフォーマットに乗せて、第三者視点のプロの編集力でオーディエンスに自然な形でブランドメッセージを届けるのを可能にすることが、ネイティブアドの新しい点と定義つけていました。

 

ネイティブアドのみで勝負する「Buzz Feed」

最後にバナーなどの広告出稿はせずに、ネイティブアドのみで運営を行っているという点で会場の大きな注目を集めていた「Buzz Feed」のネイティブアドの取り組みを紹介します。彼らも「New York Times」や、弊社の関連会社メディアジーンと同様に、記事のフォーマットでマーケッターに対してネイティブアドを提供しています。

アメリカでは、「Buzz Feed」のネイティブアドメニューはソーシャルで拡散する非常に人気のメニューとなっており、バイスプレジデントであるScott Lamb氏はその強みを以下のように説明しておりました。

  1. ソーシャル上に拡散するコンテンツを保有する強さ
  2. コンテンツを科学できるデータ量の多さ

彼らはどのようなコンテンツがソーシャル上で、どんな拡がり方をするか分析をかけており、その知見をもとにネイティブアドのコンテンツ制作を行っていることが、最大の強みであると紹介していました。マーケッターにとっては、分析されたコンテンツとソーシャルの指数が価値となっており、人気を博していると考えられます。

 

まとめ

「Publish Asia 2014」は、今後メディアがオーディエンス・マーケッターに対して、どのように価値を提供する場であるべきかを、メディア主体で意見交換するカンファレンスであり、日本では類似するような集まりはないと思います。

トラディショナルなメディアは発信力を維持してWebでメディアを成功させたいと願い、新興メディアはネイティブアドのような新しい価値を発表することで、これまでのメディアのあり方に問いかけを行っていました。来場していたのはメディアだけでなく、ベンダーやマーケッターも多数おり、メディアが横並びで切磋琢磨しあっている環境は非常に刺激的でした。

いずれにせよ世界中がネイティブアドに注目をしており、ネイティブアドが今後どのようになっていくかを今年の大きな関心事としていたことは間違いなさそうです。

ところで「Publish Asia 2014」では、弊社今田も登壇させていただきました!

 

 
今回は、コンテンツディストリビューションの重要性をネイティブアド中心に、インフォバーン・メディアジーンの取り組みとあわせて紹介。詳細は先日公開された、今田の記事にてご確認ください。

 

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