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2020.10.19

「使ってみたい」気持ちを作り出す。シェアを拡大させたSNSプロモーションとは|花王株式会社様 事例

2020年4月、花王のヘアケアブランド「リーゼ」は、1日だけのポイントカラーが楽しめる「1DAY HAIR MONSTER」を新発売。それに伴い、2020年7月にSNSのプロモーションを実施し、インフォバーンが支援いたしました。

プロモーション実施後、新型コロナウイルス感染拡大の状況下にも関わらず、SRI®︎(※)の金額シェアが2倍に拡大。

商品認知を拡大するだけでなく、「1度使ってみようかな」という気持ちを作り出せた理由とは? 花王の上村さま、インフォバーンの高木惠に聞きました。

※SRI®️(全国小売店パネル調査)…スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター・ディスカウントストア、ドラッグストア、専門店など全国約4,000店舗より収集している小売店販売データのこと

オンラインのプロモーションでも、とにかく”商品体験”に繋げたい

――「1DAY HAIR MONSTER」のプロモーションということですが、具体的にどのような目的で開始したのでしょうか?

1DAY HAIR MONSTER6色の商品画像

1日だけのポイントヘアカラーが楽しめる「リーゼ 1DAY HAIR MONSTER」

花王 上村さま(以下、上村):この商品は、近年注目度が高まっているポイントカラーをセルフで簡単に実現できる商品です。まだまだ知らない人も多いカテゴリーのため、マスで一気に拡げるのではなく、まずはWEBなどでコミュニケーションを取りたいと考えていました。

目的として最も重要視していたのはトライアルの喚起。商品認知を拡大するだけでなく、きちんと価値を伝達して「1度使ってみようかな」という気持ちを作り出したいと考えていました。

ーー新型コロナウイルスの感染拡大が新発売時に重なってしまいましたね。コミュニケーションの方針に変更などはあったのですか?

上村:はい。

当初は、トライアルを広げる場として、夏フェスなどのイベントを活用する計画をしていました。しかしイベントなどが中止になり、プランを再検討することに。

ーー オンライン上のみでどのようにしたら体験のきっかけを作り出せるか、検討の必要があったんですね。

上村:ヒントになったのが、SNSの口コミです。

発売リリースや先行発売時にいただいた反響を分析したところ、アーティストなどの「推し活動」やイベントで使いたいという人だけでなく、「普段の休日のおしゃれに活用したい」というグループも一定数いることがわかりました。

そもそも日常で使ってもらえる商品にしていきたいと考えていたので、今回は日常使いグループに対してのアプローチを強化していくことにしたのです。

花王上村さまが話されている様子

花王 上村さま

インフォバーンのターゲット研究に基づくクリエイティブジャンプに期待

――プロジェクトのパートナーとして、インフォバーンとタッグを組まれた理由を教えてください。

上村:以前、リーゼの別の商品のプロモーションでご一緒した際、企画や進行面を安心してお任せできただけでなく、数値面でも良い成果を出していただいたのでご依頼しました。

施策の目的や狙いの理解はもちろん、SNS分析やターゲット研究をもとに体系立てて進めていただいたことで、新規性のある企画ながら納得感を持って取り組むことができました。

高木:今回のヘアモンスターのご提案でも、とにかくターゲットの研究が重要と考えました。単にオンライン上での盛り上がりを作るのでなく、ターゲットは、どんなとき、どんな情報を見れば商品を試したくなるのか、商品を認知してから実際に試すまでの壁になっていることは何か、リサーチに基づいて仮説を立てた上で、クリエイティブに落とし込んでいきました。

会話風景

インフォバーン 高木

――高木さん、実施したプロジェクトの概要を教えてください。

高木:リーゼ公式Twitterを活用したプロジェクトを2つ実施しました。

1つ目は、「HAIR MONSTER ZINE」というイラストコンテンツの配信。

2つ目は、同Twitter上でのユーザー参加型キャンペーン「#ヘアモン自由研究」の実施です。

HAIR MONSTER ZINEの画像

HAIR MONSTER ZINEのイラストコンテンツ(一部)

HAIR MONSTER ZINEでは、ヘアモンスターの様々な使い方(全24種)を公開。前髪に使う場合、インナーカラーとして使う場合などパターンに分けて投稿していきました。

髪型を考案したのは、YouTubeなどで若年層の女の子から人気なヘアスタイリスト、MANAEさん。イラストは、ファッションやメイクのイラストでファンを多数持つイラストレーター、meecoさんに担当していただきました。

インサイト研究から見えた「壁」をコンテンツの力で払拭する

――コンテンツが今回の形になった経緯を教えてください。

高木:プランニングは、下記の順で行いました。

① ターゲットのインサイトリサーチ
② 全体のコミュニケーションで強化すべきポイントの発見
③ コンテンツへの落とし込み

①では、ターゲットとなる若年層の女性にインタビューを実施。結果、彼女たちはポイントカラーやヘアモンスターへ興味を持ってはいるものの、「失敗しそう」「イメージ通りにならないかも」「いざやるとなると、取り入れ方がわからない」といった不安を感じていることがわかりました。

②では、ターゲットが商品に興味を持ったとき見る場所(ブランドサイトやSNS上の #ヘアモンスター タグなど)にどのような情報があるかを確認しました。ブランドサイトでは簡易性・確実性などの機能性がしっかりと紹介されていましたので、今回のプロモーションではヘアモンスターの自由な「取り入れ方」や「イメージ」の訴求に集中することにしたのです。

最後に③でコンテンツとして形にしていきました。ユーザーのなりたいイメージを補強し、プロが教えるハウツーと一緒に紹介してあげることで試してみたいという気持ちを高め、WEBコミュニケーション全体として、壁となっていた不安を払拭することができるのではないかと考えたのです。

――なるほど。それにしても24体とは豪華ですよね。

上村:当初1色につきイラスト1点(計6点)の依頼だったので、24体もご提案いただいたときは正直驚きました(笑)。複数の髪型や髪の長さがあることで自分がやってみたいイメージを見つけやすいと思いますし、ヘアモンスター=自由に使えるというイメージにも繋がるので、数を増やしてご提案いただけてよかったです。

花王上村さまが話されている様子高木:ありがとうございます。確かに今思えば大量ですよね(笑)。コンテンツチームとしては、meecoさんのイラストでZINEを作りたかったという単純な思いもありました。

ちなみに、「ZINE」とは、magazineなどが語源の言葉で、日本では個人が自由に作る雑誌や同人誌などのこと。公式からターゲットへ一方向の情報発信をするのではなく、みんなが自発的に、自由に参加できるコンテンツにしたいという思いをこめ、このタイトルをつけました。

インフォバーン高木が話している様子

――そのコンセプトが、2つ目の施策であるユーザー参加型のキャンペーン「#ヘアモン自由研究」にもつながったのでしょうか?

高木:はい。
ユーザーにヘアモンスターを使用した写真などを投稿してもらう参加型キャンペーンをご提案し、ZINEと同時期に実施しました。より多くの人が参加できるようにするため、マストバイのキャンペーンではなく、イラストやテキストだけでもエントリーできるようにプランニングしました。

上村:当初は予定していない施策でしたが、体験に直結するよい施策だと思い、実施に進めました。

ヘアモン自由研究の告知画像

SRI®️シェアが約2倍に拡大。売上げに直結する結果に。

――具体的に今回のプロジェクトの成果について教えてください。

上村:発売以降、緊急事態宣言や外出自粛期間の影響で停滞気味だったSRI®︎の金額シェアでしたが、HAIR MONSTER ZINEの公開後、一気に拡大。コンテンツ公開後も好調を維持し、施策実施前の約2倍を記録しました。

主要な配荷店やオンラインの販売数が目に見えて伸び、正直驚きました。細やかなターゲット研究に基づいたターゲティング、コンテンツの文脈など、全体設計の充実度が結果につながったのではないかと思います。

ーー当初の目的の通り「トライアル喚起」ができたんですね。

高木:「#ヘアモン自由研究」のキャンペーンを合わせて行ったことで、コンテンツを見て「いいね」やリツイートするだけでなく、「自分だったらどう使うかな?」と考えてもらうところまでターゲットの意識を誘導出来たのも良い結果に繋がった要因のひとつではないかと思っています。

HAIR MONSTER ZINEの画像

#ヘアモン自由研究のプレゼント(HAIR MONSTER ZINE冊子版)

上村:商品が持つ自由度を「自由研究」という切り口がうまく表現してくれたので、創作意欲溢れる若年層ユーザーをうまく刺激できた実感がありますね。

Twitterでは、ユーザーの商品を使ってみたという投稿が、さらに他のユーザーの「使ってみようかな」という気持ちに繋がっていく、という場面を多々確認しました。今後もそういったユーザーのポジティブな動きを施策にうまく組み込んでいきたいです。

――このプロジェクトを弾みに、さらにヘアモンスターの認知を広げていけそうですね。上村さまから、今後の展望をお聞かせいただけますか?

上村:引き続き「体験」に繋がるきっかけを提供していきたいと考えています。さらに、「体験」の様子を蓄積し、拡散に繋げていくことで認知を高め、ポイントカラーのカテゴリー自体も成長させていきたいと考えています。

もうひとつの展望としては、デジタルとリアルの連動です。今回はTVCMを打たず、デジタル施策のみの実施でしたが目に見えてシェアが拡大しました。今後もコンスタントに結果を出し、営業部門が商談の材料に使いたいと思えるような施策を実施することで、WEBとリアルがより連動しやすいような環境を作っていきたいと思っています。

高木:我々としても、ターゲットのインサイト研究とそれに基づく企画が結果に繋がり嬉しく思います。今後も、ターゲットが興味をもてる切り口やきっかけを生み出し、ブランドを中心にターゲット同士が自由に楽しめる場づくりのご支援をしていきたいです。

 

氏名:花王 上村健祐(うえむら・けんすけ)
プロフィール:花王株式会社 コンシューマープロダクツ事業部門 ヘアケア事業部
新卒で花王株式会社に入社。花王グループカスタマーマーケティング(株)に出向し、約7年間の営業担当を経て、花王(株)のコンシューマープロダクツ事業部門に異動し、現在約4年目。インバスブランドやヘアスタイリング剤などを担当し、約1年前にヘアカラー担当に。SNSを中心とした施策を数多く経験。

 

氏名:高木惠(たかぎ・けい)
プロフィール新卒でインフォバーンに入社。コンテンツディレクターとして配属され、数多くのオウンドメディアを担当。そこで得た編集スキルを軸足に、現在はアカウントプランナー兼コンテンツディレクターとしてコミュニケーションプランの設計から制作・実行までを一気通貫して行っている。

 

プロジェクトチーム

・アカウントプランナー 高木
・コンテンツプランナー 高木・村中
・コンテンツディレクター 村中・逢澤・光野
・アートディレクター相野谷
・プロデューサー 河野

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