プロジェクト概要
50年以上にわたり、日本の小学生から高校生のグローバル教育を牽引してきた、株式会社アイエスエイ。海外留学や国内外での英語研修など、質の高いプログラムを提供し続けてきました。
本プロジェクトでは、アイエスエイが「グローバル教育」の選択肢として最初に想起されるブランドになることを目指し、3C分析(顧客・自社・競合)を通じてアイエスエイならではの提供価値を抽出。アイエスエイのブランド価値を再定義し、社会や顧客の共感を呼ぶブランド戦略とコアメッセージを策定しました。
- 課題
- ・長年の実績や手厚いサポートといった強み、教育に対する思想や情熱といった価値が言語化・可視化されておらず、「留学支援会社」という一面的な認識に留まっている
・「グローバル教育」という言葉の意味が多様化する中で、提供する教育プログラムの意義や本質的な価値を再定義し、明確に伝えたい
・子どものグローバル教育を検討する際に、第一の選択肢として好意的に「アイエスエイ」を想起するようなブランドポジションを確立したい
- 成果
- ・アイエスエイの提供価値を、単なる英語教育ではなく「個性を育み、才能として磨き上げる教育」であると再定義し、競合他社との明確な差別化の軸として確立
・保護者の方へのデプスインタビューを通じて、子どもの教育に求める価値観を深掘りし、本質的なインサイトを抽出
・顧客インサイトと自社の強みを掛け合わせ、共感を呼ぶブランドのメッセージを開発
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クライアント
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株式会社アイエスエイ
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担当領域
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リサーチ
インタビュー
ブランド戦略策定
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期間
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2025年3月~2025年8月
当社は半世紀以上、グローバル教育を通じて子供たちが自分の個性に気づき、夢を見つけるお手伝いをしてきました。今回のブランディングは「共感する保護者や先生方と共に、子供たちの才能を育むコミュニティを作りたい」という思いから始まりました。難しいテーマに真摯に向き合い、物語を紡いでくださったインフォバーンの皆さまに心から感謝しています。
プロジェクト詳細
株式会社アイエスエイは、50年以上にわたりのべ80万人以上の日本の子どもたちにグローバルな学びの機会を提供してきた、教育業界のパイオニアです。しかし、時代の変化とともに「グローバル教育」に求められる価値も多様化。多くの競合サービスが登場する中で、アイエスエイが長年培ってきた「教育」への深い知見や情熱、そして他社にはない価値が、保護者や子どもたちに十分に伝わりきっていないという課題がありました。
インフォバーンは、こうした市場の変化と課題に対応するため、ブランドの核を再定義し、社会との新たなコミュニケーションを構築する戦略パートナーとしてプロジェクトを推進しました。
実施プロセス
ブランド戦略を策定する上で、その土台となるのは客観的な事実に基づいた現状分析です。ブランドが置かれている状況を多角的に把握するため、「顧客(Customer)」「自社(Company)」「競合(Competitor)」の3つの視点から分析を実施。アイエスエイの「自社だけが提供できる、顧客が求める価値(=バリュープロポジション)」を整理し、戦略の基盤を構築しました。

3C分析/クロス3C分析

Step1.自社分析:組織に根付く思想と提供価値の明確化
概要
お客様に提供している価値やその源泉を探るため、役員と生徒・保護者と向き合う社員の方々、合計5名にインタビューを実施しました。「自社の強み・弱み」「顧客や市場をどう見ているか」「これからどんな会社を目指したいか」といった質問を通して、経営層の視点と現場の視点の両面から、組織に根付いている価値観や、顧客へ提供している価値の源泉を言語化していきました。
得られた示唆
社員の方々へのインタビューでは、「単に海外へ送り出すだけでなく、子どもの人生そのものを豊かにしたい」という共通した想いが語られました。そこには、偏差値などで画一的に評価されがちな日本の教育に対する課題意識と、一人ひとりの個性を尊重し「生きる力」を育みたいという、「教育者」としての使命感が組織の根幹にあることが見えてきました。
この想いこそが顧客から評価されている「手厚いサポート」や、長年の実績と学校との強固なネットワークに裏打ちされた深い「教育的知見」といった独自のサービス価値を生み出す原動力となっており、競争力の源泉であると結論づけました。
Step2.顧客分析:保護者の「本音」に隠された、子どもへの願いを掘り起こす
概要
実際にアイエスエイのプログラムにお子様を参加させた経験のある保護者5名にご協力いただき、アンケートのような定量調査では見えてこない、保護者の皆様の言葉の裏にある価値観やインサイト(隠れた本音)を抽出することを目的としたデプスインタビューを実施しました。
インタビューで得られた発言の裏にあるインサイトを一つひとつ分解し、その断片をグループにまとめ、顧客が製品やサービスにどのような価値を感じているかを、階層的に整理・統合するKJ法という手法を用いて分析。「価値マップ」を作成し、個別の意見の裏に潜む、共通した「顧客が教育を通して得たいと願う価値」を明らかにしました。

得られた示唆
顧客分析の結果、アイエスエイのプログラムに参加した保護者はグローバル教育に対し、単なるスキル習得以上の価値を求めていることが明らかになりました。具体的には、「予測困難な社会で自立し、豊かな人生を送る力」を子どもに身につけてほしいというニーズが見えてきました。
分析における重要な示唆として、対象となった保護者が子どものグローバル教育に求める本質的な価値と、アイエスエイが提供してきた教育の価値が一致していることがわかりました。同時に、その価値が明確に言語化されておらず、顧客に十分に伝わっていないことも見えてきました。この認識のギャップをコミュニケーション上の主要課題と特定し、これを解消することが、ブランドへの共感を獲得する上で重要な機会になると結論づけました。
Step3.競合分析:市場の「当たり前」から脱却し、独自のポジションを築く
概要
市場におけるアイエスエイの独自の立ち位置を明確にするため、現在の競合と、これから目指すポジションにおける未来の競合を定義しました。留学支援を行う直接的な競合企業や広くグローバル教育を提供する将来的な競合の調査に加え、教育価値の伝え方が優れているベンチマークとなる企業も対象に調査。これにより、業界のやり方に囚われない、新しいコミュニケーションの可能性を探りました。
各社のウェブサイトやパンフレット、調査レポートなどを読み込み、「何を価値として打ち出しているか」「それをどのような言葉やストーリーで伝えているか」などの軸で分析しました。
得られた示唆
市場を調査すると、現在の多くの競合他社は「海外トップ大学への進学実績」や「プログラム参加費用の安さ」といった、分かりやすい数字や成果を主に訴求しています。一方で、これから目指すポジションにおける未来の競合やベンチマークとなる企業は「教育理念」や、プログラムを通して得られる子どもの「内面的な成長」をコミュニケーションの主軸に据えていることが分かりました。
数字や成果を中心に他社と比較される状態を脱却するためには、自社分析で見出した「教育への情熱」や「個性を育む」といった独自の思想と教育の価値をブランドの核に据えることが必要であると結論づけました。そのメッセージは、顧客分析で明らかになった保護者の本質的な願いとも合致し、強い共感を得られると考えました。
ブランド定義
このフェーズでは、以上の3C分析/3Cクロス分析を通じて、「自社だけが提供できる、顧客が求める価値」となる、独自の価値(バリュープロポジション)を定義しました。

独自性(PoD)の発見とバリュープロポジションの策定
分析結果を統合し、アイエスエイが持つ「差別化ポイント(PoD:Point of Difference)」を5つの要素に整理しました。
ここから、これらの価値を統合し、アイエスエイのバリュープロポジションを「個性を育み、才能として磨き上げる教育で、子どもが真に豊かな人生を生き抜く力と心を育てる」と定義しました。
このバリュープロポジションを顧客に提供するための具体的な手段や、その価値を信じるに足る根拠(RTB:Reason to Believe)を構造化。これにより、ブランドの全体像を明確にし、今後のコミュニケーション活動の基盤を固めました。

「確率思考の戦略論 どうすれば売上は増えるのか」(森岡 毅 (著)、 今西 聖貴 (著))の“ブランドエクイティピラミッド”に基づき作成
再定義した価値を、共感を呼ぶストーリーへ
定義したバリュープロポジションは、あくまで「企業が伝えるべき事実」です。これを顧客の心に響く「共感を呼ぶ言葉」に翻訳する必要がありました。アイエスエイが目指す教育の姿と、保護者のインサイトを重ね合わせ、ブランドの思想を伝えるメッセージを開発しました。
このメッセージは、アイエスエイの教育の根幹にある「個性」を育み、「才能」として磨き上げるという思想を、保護者のインサイトに寄り添う言葉で表現したものです。

成果と展望
策定されたブランド戦略とコアメッセージは、今後のあらゆるコミュニケーション活動の揺るぎない核となります。ウェブサイトやパンフレット、広告クリティブに至るまで、この方針に沿って一貫したメッセージを発信し続けることで、「子どものグローバル教育といえばアイエスエイ」という確固たるブランドイメージが社会に浸透していくと確信しています。
制作体制
アカウントプランナー|青木佳音
アカウントプランナー補佐・コピーライター|外山実奈
コンテンツプランナー|鈴木椋介
ディレクター|加藤晴
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